【第2弾】家が売れないのは不動産会社のせい?内見者の本音から学ぶ「出口戦略」と売却の真実
前回の記事では、長期間売れない不動産を抱える売主様が持つべき「心構え」についてお話ししました。今回はその続編として、より踏み込んだ「現場のリアルな声」をお届けします。
「もっと広告を出してくれれば売れるはずだ」 そんなふうに思っていませんか?もちろん、私たち仲介業者の努力も必要です。しかし、実は「どれだけ広告を出しても、売主様の意識が変わらなければ絶対に売れない壁」が存在します。
実際に内見に来られた方が、物件のどこを見て、何を理由に断ったのか。その切実な本音から、今の時代に不動産を売るための真実を紐解いていきましょう。
実際の内見者の声:「気持ちはわかるけれど、この価格ではね」
先日、築50〜60年の物件を内見された50代の女性がいらっしゃいました。都会に住む30代の息子さんが、将来の自給自足生活を見据えて地方移住を計画しており、そのお母様が代理で内見に来られたのです。
息子さんは、先行きが見えない今の社会情勢を考え、高い住宅ローンを組んで精神的なストレスを抱え続けるよりも、現金で買える安い家を探していました。
しかし、内見を終えたお母様の評価は非常にシビアなものでした。
・「若い人は、お風呂・トイレ・台所がきれいでないと住めない」
・「10年経ったら解体して小さな家を建てるかもしれないが、その解体費用に200万円以上かかる」
・「10年住めるリフォーム代も計算すると、高すぎる。売主さんが大事に住んでいた気持ちは
とてもわかるけれど……この価格ではね」
売主様が「大事にしてきた」という思いは、買主様にも伝わっています。しかし、買主にとっては「それとこれとは別」なのです。
一般の買主も「出口戦略」を考える時代
不動産用語で「出口戦略」という言葉があります。これは元々、投資家が「最終的にその物件をいつ、いくらで手放して利益を確定させるか」という計画を指す言葉でした。
しかし現在、この「出口戦略」を現実的に考えているのは投資家だけではありません。
ごく一般の、マイホームを探している買主たちも同じように考えています。
今の若い世代や現役世代は、「家を買ったら一生そこに住み続ける」という前提を持っていません。
「子どもが独立したら、夫婦ふたりには広すぎるから手放そう」
「高齢になって車の運転が難しくなったら、もっと便利な駅前や施設に移り住もう」
このように、「いずれこの家を手放す時期が来る」ことを肌で感じており、その時に「いくらで売れるか(あるいは、そもそも売れるのか)」を計算して今の価値を探っているのです。
買主が厳しくチェックする「数十年先の将来性」
売主様は「現在の相場」や「過去数年の売買事例」を基準に価格を決める傾向があります。
しかし、将来の出口戦略を見据えている賢い買主は、過去のデータだけでは安心しません。
彼らが本当に知りたいのは、「自分が手放すであろう10年後、20年後も、この場所に価値があるのか?」ということです。具体的には、以下のようなポイントをシビアに調査しています。
・地域の人口動態
10年後、この町の人口は維持されているか?極端な過疎化が進まないか?
・生活環境の維持
近くのスーパーや病院、学校は、将来も存続しそうか?
・災害リスクとインフラ
ハザードマップの危険区域に入っていないか?道路や水道などのインフラは古くなっていないか?
国立社会保障・人口問題研究所の「 日本の地域別将来推計人口 」などの公的なデータは、今や誰でもスマートフォンで簡単に調べられる時代です。買主はこれらのデータを見て、その地域の「未来の姿」を予測し、購入の判断材料にしています。
まとめ:買主と同じ視点に立てるか
不動産売却を成功させる鍵は、売主様が「買主の未来への不安」に寄り添えるかどうかにかかっています。
買主様は、ご自身の資産を「将来の負債」にしたくないのです。 現状のまま高い価格を維持するのではなく、将来の解体費やリフォーム費、そして地域の将来性まで考慮した「適正な価格」に見直すこと。
「なかなか売れない」とお悩みの場合は、ぜひ一度、買主様と同じシビアな視点でご自身の物件を見つめ直してみてください。現実的なデータに基づいた査定や今後の戦略について、ご不安なことがあればいつでもご相談をお待ちしております。





