実家の「仏壇」や「井戸」、そのまま売ってはダメですか? 供養する人・しない人、不動産現場のリアルな選択
実家の片付けを進めていく中で、どうしても手が止まってしまう場所があります。
タンスや食器などの日用品とは違い、簡単には処分できないもの。
それは、ご先祖様を祀ってきた「お仏壇」や「神棚」、 そして古くから敷地にある「井戸」や、動かすことすら困難な「庭石」などの存在です。
「これらをきちんとしておかないと、家は売れにくいのではないか」 「お祓いを済ませていないと、不動産会社に断られるのではないか」
そういった不安から、売却の相談そのものをためらっていませんか?
今回は、多くの不動産情報サイトではあまり語られない、これら「扱いに悩むもの」についての現場の実情についてお話しします。
1. 「魂抜き」や「お祓い」は必須条件ではありません
結論から申し上げます。 仏壇の「魂抜き(閉眼供養)」や、井戸を埋める際の「息抜き(お祓い)」は、不動産を売却するための絶対的なルールではありません。
これらを済ませていないからといって、売却の手続きが進められないわけではありませんし、私たちが「それなら扱えません」とお断りすることもありません。
これらはあくまで、「売主様ご自身の気持ちの区切り(けじめ)」として行われるものです。
長年家を守ってくれたことに感謝し、気持ちよく手放すための行いであり、強制されるものではないのです。
2. 現場の実情:8割の方は供養されますが……
これまでの経験でお話ししますと、約8割のお客様は、お寺さんや神主さんに依頼して供養やお祓いを済ませてから、仏壇の撤去や井戸の埋め戻しを行われます。
やはり「最後はきちんとしておきたい」「次の持ち主の方に気持ちよく住んでほしい」という想いを持たれる方が多いのが実情です。
しかし、残りの約2割のお客様は、そうした供養やお祓いをされずに、売却を進められます。
そこには切実な事情があります。
・「経済的な理由」 相続や介護でお金がかかり、お布施や撤去費用の捻出がどうしても難しいケース。
・「宗教観・考え方の違い」 特定の宗教を持たないためこだわらない、あるいは「物は物」として
割り切るお考えのケース。
・「遠方などの事情」 物理的に立ち会うことができず、全てをお任せしたいというケース。
私たちは、どちらの選択も尊重されるべきだと考えています。 大切なのは、売主様が納得して家を手放せるかどうかです。ご事情に合わせて最適な方法を一緒に考えます。
3. 「そのまま」で売却を進める場合の選択肢
では、供養や撤去を事前にできない場合、どうすれば良いのでしょうか。 大きく分けて2つの方法があります。
パターンA:買主様に「現状」を伝えて承諾してもらう
「建物の中に仏壇が残っています」「庭に古い井戸があります」という情報を、隠さずに買主様に伝えます。 最近では「リノベーションで解体するから、何が残っていても構わない」という買主様や、買取業者も増えています。この場合、売主様の事前負担はなく、引き渡しが可能です。
パターンB:弊社が代行して整理する
「供養まではできないけれど、空っぽにして引き渡したい」という場合は、弊社が提携している専門業者が、搬出・処分を行います。 ご自身で手配する手間が省けます。
4. 高額な「庭石」や「植栽」の悩み
お仏壇同様に相談が多いのが、立派な「庭石」や、手入れが必要な「植木」です。
これらは撤去しようとすれば重機が必要となり、数十万円単位の費用がかかることがあります。
「庭を更地にしないと売れない」と思い込む必要はありません。 そのままの風情を気に入ってくれる方が現れる可能性もありますし、費用の問題で撤去できないなら、「撤去費用分を考慮した価格設定」で売り出すなどの戦略もあります。
まとめ:あなたの「事情」に寄り添った解決策を
家を売る事情は、ご家庭によって様々です。 時間的な余裕、金銭的な余裕、そして心の余裕。
すべてが万全な方ばかりではありません。
弊社は、「こうあるべき」という一般論を押し付けることはいたしません。
きちんと供養して、気持ちの整理をつけたい方
費用をかけず、現状のままで引き渡したい方
どちらのお客様に対しても、不動産のプロとして、不利益にならない最適なプランをご提案します。
誰に相談していいか分からないようなお悩みも、まずは私たちにお聞かせください。
一つひとつ、一緒に解決していきましょう。





