固定資産税を払っているから大丈夫」は勘違い?実家の『未登記建物』について、少しお話しします
実家の整理や、将来のことを考えたとき、ふと気になることはありませんか?
母屋の横にある、おじいちゃんが建てた「離れ」。 子供部屋として増築した2階の部屋。
あるいは、農機具を入れている倉庫。
「毎年、役場から固定資産税の通知が来ているから、書類関係はちゃんとしているはず」
そう思われている方が多いのですが、実はここ、不動産の手続きにおいて少し注意が必要なポイントなんです。
今日は、長年不動産業に携わってきた私の経験から、意外と多い「未登記建物(みとうきたてもの)」について、少しお話しさせてください。 専門的な話になりがちなテーマですが、できるだけ普通の言葉でお伝えしますね。
「未登記」ってどういうこと?
簡単に言うと、「法務局の記録(登記簿)には載っていないけれど、そこに建っている建物」のことです。
昔は、現金で家を建てることが多く、銀行の融資を受ける必要がなかったため、「自分たちが住むだけだから」と、手続きをしないままになっている建物が少なくありません。
特に、田舎の「離れ」や「納屋」、あとから付け足した「増築部分」などは、未登記であるケースがよく見受けられます。
「えっ、でも固定資産税は払っていますよ?」
そうおっしゃるお客様も多いのですが、実は「税金を払っていること」と「登記されていること」は別のお話なんです。 役所は現地の調査で建物があることを把握して税金をかけますが、それが自動的に法務局の登記に反映されるわけではないんですね。
いざ売却や相続という時の「ひと手間」
「未登記だと何か困るの?」と思われるかもしれません。 普段生活している分には全く問題ありません。ただ、いざ「実家を売ろう」「相続の手続きをしよう」となった時に、少しだけクリアすべき課題が出てきます。
決して「売れない」とか「罰則でお金を取られる」と怖がる必要はありませんが、後になってバタバタしないために知っておいていただきたいことがあります。
1. 売却時の手続きについて
「未登記の建物があると売れない」と書いてあるネット記事を見かけますが、そんなことはありません。 私の30年以上の経験の中でも、未登記であることを理由に売買ができなかったり、安く買い叩かれたりしたことは一度もありませんのでご安心ください。
ただ、売り方によって対応が異なります。
・現金で買われる方の場合: 重要事項説明書や契約書で「ここは未登記ですよ」としっかり説明し、
納得していただいた上で、そのままお引渡しすることがよくあります。
・住宅ローンを利用される方の場合: 銀行はお金を貸す条件として「建物の登記」を求めます。
そのため、決済(お引渡し)までの間に、未登記部分をきちんと登記する手続きが必要になります。
つまり、売れないわけではなく、「売買の過程で、登記をするなどの調整が必要になることがある」
ということです。
2. 相続の時の確認事項
相続の際も同様です。遺産分割協議書(誰がどの財産をもらうか決める書類)を作る際に、
登記されていない建物も含めて記載する必要があります。
事前に分かっていれば手続きがとても楽になりますが、後から「あれ?この倉庫、書類にないぞ?」となると、また話し合いや書類作成の手間が増えてしまいます。
「うちはどうかな?」と思ったら
確認方法は難しくありません。 毎年春に届く「固定資産税の納税通知書」を見てみてください。
建物の明細欄に「未登記」と書かれていたり、家屋番号が空欄だったりする場合は、未登記の可能性があります。
もし未登記だと分かっても、慌てる必要はありません。 「将来売るときのために登記しておこうかな」 「そのままにしておいて、売るときに不動産屋さんに相談しようかな」 どちらの選び方も、
決して間違いではありません。
大切なのは、「現状を知っておくこと」。それだけで、いざという時の安心感が違います。
最後に
不動産の書類や手続きは、普段なじみがない分、難しく感じてしまうものです。
もし、「実家の権利証が見当たらない」「通知書の見方がよく分からない」といったことがあれば、
いつでもお声がけください。
私たちは、単に不動産を売ったり買ったりするだけでなく、お客様が抱える「どうしたらいいんだろう?」という不安を、一つずつ解消するお手伝いをしたいと考えています。
「ブログを読んだんだけど、ちょっと聞いていい?」 そんな世間話のような感覚で、ご相談いただければ嬉しいです。
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