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土地取得で“国籍”を報告せよ ──2025年改正の真意と不動産取引リスク

はじめに:報道された制度改正の内容
2025年10月2日、中国新聞など複数メディアで、「土地取得時に取得者の国籍を報告義務化へ」という見出しの記事が報じられました。国土交通省は、一定規模以上の土地取引において、従来の取得者住所・氏名のほか、国籍も自治体などに届け出るよう、国土利用計画法の施行規則改正を行う方針を明らかにしたとされています。 沖縄タイムス+プラス+1
具体的には、土地取得の際に報告事項として「国籍」を追加するというもので、法人の場合には「設立根拠となる国」を届け出源とするという案も含まれています。 アットエスニュース+1
この報道は、不動産取引に関わる人々に大きな衝撃を与えています。なぜこのような改正が持ち出されたのか、制度上どのような変化が予想され、取引リスクとして何を注意すべきか。本記事では、その「真意」と「リスク」を整理して解説します。

1. 改正の背景:なぜ今、国籍報告制度なのか
まず、こうした制度変更が検討される背景には、次のような事情・目的があると考えられます。
(1) 外国資本・外国人所有地の把握を強化したい
近年、国内で外国投資家・外国企業が日本の土地・不動産を取得するケースが増えており、これを政策的にどう扱うかが議論されています。 公益社団法人 全日本不動産協会 –+2月刊不動産 | 公益社団法人 全日本不動産協会+2
ただし、これまで「どの土地を誰が取得しているか(国籍含む)」を包括的に把握する制度は十分ではありませんでした。議員立法で「外国人土地取得規制法案」が提出されている例もありますが、まだ成立には至っていません。 新・国民民主党 – つくろう、新しい答え。+2不動産投資TOKYOリスタイル+2
このため、まず実態把握のための届出制度を強化し、政策判断の材料を整備する狙いがあると見られます。
(2) 安全保障・国土保全の視点からの制御
特に、水源地、森林、離島、軍事施設周辺、インフラ周辺地域などは、土地取得が国家戦略・地域安全保障と結びつく可能性があります。こうした地域で外国系取得が進むと、監視・制御が難しくなるという懸念があるため、報告制度を導入して監視を強めたい動機が推察されます. 参政党+3月刊不動産 | 公益社団法人 全日本不動産協会+3株式会社シエラ不動産 | 池袋,不動産売買,賃貸,相続+3
すでに日本には「重要土地等調査法」があり、特定区域(防衛施設周辺・国境離島等)に関して、土地所有者に対して利用目的等の調査・報告を求める制度が存在します。 月刊不動産 | 公益社団法人 全日本不動産協会+1 しかし、この制度の適用範囲は限定的であり、さらに広い範囲を対象とした制度設計強化が議論されてきました。 不動産投資TOKYOリスタイル+3参政党+3月刊不動産 | 公益社団法人 全日本不動産協会+3
(3) 段階的導入と法制度整備の布石
大規模土地取得に限定して国籍報告を義務化し、段階的に対象を広げるという手法は、制度の導入や運用の負荷を抑える意味もあります。最初からすべての土地取引を対象とすると事務負荷や反発が大きいため、範囲限定で導入し、将来的拡充を視野に置く戦略とも考えられます。

2. 制度改正で「何が変わるか」予想される内容
制度が正式に成立すれば、不動産取引・登記手続き・問い合わせ義務・罰則など、様々な面で変化が起きる可能性があります。以下は報道および制度設計の論点から整理した予想変化です。
項目 現行制度 改正後に予想される変化
報告対象取引 取得者住所・氏名報告は一部制度に限る 一定規模以上の土地取得・移転契約を対象に、国籍報告義務が追加される可能性
報告先・提出先 都道府県・自治体・国交省関連機関が関与 国交省所管、自治体、土地利用規制担当部署等へ報告先の明確化
報告時期 取引後・登記手続き時など 取引契約締結後または所有権移転後の一定期間内に提出義務が課される可能性
報告内容 取得者の氏名、住所、取引価格、用途など 国籍、外国法人の場合は設立根拠国、株主構成、持株比率などの追加記載義務
登記手続との連携 登記申請時点での住所・氏名・権利関係が主 登記官が報告有無をチェックする、報告と登記申請を紐づける制度整備
罰則・制裁 届出義務がないため罰則なし 報告不履行・虚偽報告には罰金、届出却下、将来的な取得制限措置等の導入可能性
適用範囲 現在、重要施設周辺など限定区域のみ 全域・広範地域に拡大する可能性。段階的導入も考えられる
たとえば、静岡新聞は「改正された規則によると、日本人を含めて取得者の国籍を報告させる」ものになると報じています。法人については設立根拠国を届け出る案も挙げられています。 アットエスニュース
この点が注目すべき変化で、従来は外国人・外国法人を主な対象と想定するのが一般的でしたが、日本人取得者にも国籍報告義務を及ぼす可能性を含んでいるということです。これにより、制度の監視網を広げつつ“国籍把握”を普遍化する意図が読み取れます。

3. 不動産取引におけるリスクと留意点
改正後を見据えるなら、不動産取引に関わる側として、次のようなリスクと対応策を把握しておく必要があります。
リスク
届出忘れ・未報告による罰則リスク
 国籍報告義務を前提にすれば、報告を怠ったり虚偽の申告をすれば罰金、取引無効化、将来的な取引制限などのリスクが生じる可能性。
書類準備の複雑化
 国籍を証明するための旅券・在留カード・法人なら設立根拠国の証明書・株主構成資料など、追加的な書類を用意する負担が増える。
プライバシー・個人情報管理リスク
 国籍というセンシティブ情報が行政機関に報告・管理されることから、個人情報保護の観点での慎重な運用が必要となる。
取引遅延・手続きリスク
 報告義務が足かせとなり、契約→登記までのプロセスが遅延する可能性。特に時間にシビアな不動産開発案件ではリスクとなる。
制度の過剰適用・拡大リスク
 面積・価格基準等が将来的に引き下げられて、もともと想定していなかった取引にも影響が及ぶ可能性。
外国資本規制論との摩擦・訴訟リスク
 国籍や外国人を報告対象とする制度が、憲法上の財産権や平等原則、国際法・投資保護条約等と衝突する可能性が議論されうる(たとえば、外国人投資家に差別的扱いと受け取られる懸念)。 参政党+4楽待+4月刊不動産 | 公益社団法人 全日本不動産協会+4
対応策・チェックリスト(読者向け)
売買契約段階で「国籍報告義務の有無」「報告手続き担当者・責任明記」を契約条項に入れておく
取得予定地の面積・価格が報告義務の適用対象になるか事前に調査
取得者が法人の場合、株主構成や設立国情報を整理しておく
司法書士・不動産専門家と連携し、報告義務制度に対応できる手続フローを事前確立
報告義務反映後と見込まれる登記申請スケジュールの余裕を確保
個人情報保護措置・情報管理体制を整備しておく

4. 真意を読む:制度設計の狙いと限界
ただし、この報道ベースの制度案には論点・限界も多数潜んでおり、それを読み解くことも重要です。
広範対象化 vs 負担抑制のバランス
 あまりに広く対象を取ってしまうと、すべての小規模取引にも報告義務が及び、取引コストと事務負荷が重くなります。制度の“線引き(面積・価格基準)”が極めて重要です。
運用実効性の確保
 報告制度を定めても、チェック体制、虚偽防止策、監査能力、人的リソース・予算の確保がなければ形骸化します。
制度拡張のステップ
 まず大規模土地取得を対象とし、対象縮小・義務強化を段階的に進める可能性があります。この点を見据え、現行ルールだけでなく将来改正を見据えた対応をすべきです.
訴訟・憲法的批判の可能性
 国籍を基準とする制度は、差別性、平等原則・財産権保障との整合性、対外投資ルールとの衝突といった法的リスクを孕みます。
国際比較と整合性
 他国の土地取得規制制度(たとえば台湾、オーストラリア、ニュージーランド、米国など)との比較、相互主義の議論との兼ね合いを考慮すべきです。 月刊不動産 | 公益社団法人 全日本不動産協会+2株式会社シエラ不動産 | 池袋,不動産売買,賃貸,相続+2

おわりに:読者へのメッセージと今後ウォッチポイント
報道によれば、2025年改正案は「土地取得時の国籍報告義務化」という大胆な構想を含んでおり、不動産取引慣行に大きなインパクトを与えうるものです。ただし、法案確定前であるため、制度設計の最終形は変わる可能性があります。
読者の皆さまにとって重要なのは、**制度を「自分の取引にどう影響するか」**の視点を持ち、専門家と連携しつつ準備を進めておくことです。
今後、以下の点が注目ポイントになります:
国土交通省・法務省からの正式通達・施行規則の公表
面積・価格基準、報告対象地域・除外地域の明示
罰則規定や実効性確保の措置内容
登記制度との連携 (登記官との調整・報告確認ルート設計)
地方自治体レベルでの対応状況(報告受け入れ体制・取扱い実務)

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