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10月1日、全国一斉不動産無料相談会にて

昨日10月1日に開催された「全国一斉不動産無料相談会」。
当日は、空き家や相続、土地活用など多岐にわたる相談が寄せられました。
その中で、特に印象に残ったのが、あるご夫婦の“農地相続”に関するご相談です。
 「相続を受けた圃場整備した3町の田んぼがあります。
 それが『一種農地』だと言われ、どうにも手放せないんです。
 私たちは農業の経験がなく、今は地元の農業法人に貸しています。
 ただ、その代表の方に“いくらでもいいから買ってほしい”とお願いしたのですが、
 『自分もいつまで耕作できるかわからない。後継者もいないから』と断られてしまいました。
 他にも市役所や心当たりがあるところに声をかけましたが、全くダメで…。
 もう本当に、いくらでもいいから手放したいんです。」
このご夫婦の言葉には、**今の地方が抱える“農地の現実”**が凝縮されていました。

■「一種農地」とは?まずは基本から
「一種農地」とは、**農地法の中でもっとも保護されるべき“優良農地”**を指します。
具体的には、次のような条件を満たす農地です。
土壌が肥沃で、耕作条件が良い
農業用水や排水などのインフラが整っている
一帯が農業地帯としてまとまっている
つまり、日本の食料生産を支える中核的な農地です。
そのため、国や自治体が農業以外の利用を厳しく制限しています。

■「一種農地」はなぜ問題になるのか?
農地保護の目的は正しいものの、相続した人の立場からすると、現実はとても厳しいのが実情です。
① 転用が原則できない
1種農地は、住宅地・駐車場・倉庫・太陽光発電などへの転用が原則認められません。
農地法第4条・第5条によって、用途変更には知事や農業委員会の許可が必要ですが、
1種農地の場合は**“許可の対象外”**です。
つまり、どんなに不便でも、農地として維持するしかないのです。

② 売る相手がいない
農地を買えるのは、現に農業を営む人だけです。
ところが今、日本では農業従事者の高齢化が進み、
「農地を買ってまで新しく耕作したい」という人は減る一方。
相談者のご夫婦が頼った農業法人の代表も、
「自分も高齢で、いつまで耕作できるかわからない」
と答えています。
この言葉は、全国の農村で同じように聞かれる“共通の悲鳴”です。

③ 貸していても将来が不安
現在は農業法人に貸しているとのことですが、これも永続的な解決策とはいえません。
借り手の高齢化や事業縮小によって、いつ返されてもおかしくないからです。
返還された後は、草刈りや水路の維持管理といった**“管理責任”**が所有者にのしかかります。

■なぜそんなに厳しいのか?
〜国の農地保全政策の背景〜
一種農地が厳しく守られているのは、
**「優良農地を守らなければ日本の食料が守れない」**という政策的理由からです。
もし自由に転用できるようになれば、
優良農地が宅地や工場に変わり、農地が減少
農業の効率化や集約化が進まない
食料自給率が下がり、農業が衰退する
といった事態に陥ります。
しかしその結果、現実としては**“相続しても使えない・売れない土地”**が増え続けているのです。

■現実的な選択肢は?
相談会では、次のような一般的な対応策をお伝えしました。
① 農地バンク(農地中間管理機構)を活用する
各都道府県に設置された「農地バンク」は、
農地を貸したい人と借りたい農家をつなぐ公的な仕組みです。
登録すれば、農業法人などが引き続き耕作してくれるケースもあります。
👉「農地を貸す」ことは可能ですが、「売る」ことは依然として難しいのが現実です。

② 農業委員会・行政に相談する
「農業振興地域」からの除外申請を行えば、
場合によっては農地転用の道が開ける可能性もあります。
ただし、1種農地で除外が認められるケースはごく一部
行政の地域計画に沿わない限り、認められることはありません。

③ 農家・農業法人への継続貸与
当面の現実的な対応としては、
農業法人への貸与を継続することが最も安全です。
ただし、契約内容をきちんと確認し、
万一返還された場合の管理方法を事前に考えておく必要があります。

■「1種農地」は個人の問題ではなく“社会の課題”
このご夫婦のような悩みは、いま全国で急増しています。
農業従事者の高齢化・後継者不足が進み、
**「相続したが活用も処分もできない土地」**が増えているのです。
これは、単に「個人が困っている」だけではなく、
地域の農業構造そのものが行き詰まっているサインでもあります。

■まとめ:1種農地は“動かせない資産”ではなく、“守り方を考える資産”に
この相談を通じて改めて感じたのは、
「農地をどう残すか」という問いが、
もはや“農家だけの問題”ではないということです。
相続した人が悪いわけでも、
農地を守る制度が間違っているわけでもありません。
ただ、制度と現実の間に**大きな“ズレ”**があるのです。
売れない
転用できない
管理だけが残る
そんな1種農地を抱える方にとって、
**まず大切なのは「放置しないこと」**です。
農業委員会や農地バンクなど、
公的な機関とつながりながら、現状を把握し、最善の管理方法を見つけていく。
それが、次の世代に責任をつなぐ第一歩になります。
「子孫に美田を残さず。」と言うけれどこの場合、「子孫に美田を残す。」べきかも。

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