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【2026年4月施行】離婚時の家はどうする?財産分与5年化と共有名義・ペアローンの解決法|田布施・柳井

山口県東部の田布施町・柳井市周辺を思わせる、穏やかな地方の住宅街。庭と駐車スペースのある一戸建てのLDKで、離婚後の住まいについて相談する日本人女性と子ども、不動産相談員。 女性は不安を抱えながらも前向きな表情で、机の上に広げられた住宅資料、不動産査定書、住宅ローン残高の資料を見ている。子どもは女性の隣で安心した様子。相談員は落ち着いた服装で、親身に説明している。

田布施や柳井にお住まいで、離婚を検討されている方、あるいはすでに離婚したものの、マイホームの扱いが決まらないまま不安を感じている方へ。

結婚生活を終えるとき、避けて通れないのが「財産をどのように分けるか」という話し合いです。預貯金や車であれば、金額を確認して分ける方法を検討しやすい一方、特に判断が難しく、話し合いが長引きやすいのが「不動産」です。

家は預貯金のように単純に分割できません。どちらか一方が住み続けるのか、それとも売却して住宅ローンを清算し、残った金額を分けるのか。名義や住宅ローンの状況も確認しながら、慎重に方針を決める必要があります。

さらに、離婚に伴う財産分与のルールも変わりました。2026年(令和8年)4月1日に施行された民法改正により、離婚後に財産分与を求める期間は、原則として2年から5年に延長されています。ただし、2026年3月31日以前に離婚した場合は、原則2年とされる経過措置があります。

この記事では、財産分与に関する新しいルールを分かりやすく解説します。あわせて、共有名義やペアローンで購入した家を放置するリスク、子どもがいるため現在の家に住み続けたい場合に検討できる方法、売却を選ぶ場合の確認事項について、田布施・柳井周辺の不動産事情も踏まえて説明します。

1. 2026年の民法改正で何が変わる?財産分与の期限が「2年」から「5年」へ

夫婦が婚姻中に協力して取得・維持した財産を、離婚の際または離婚後に分けることを「財産分与」といいます。

不動産の名義が夫だけであっても、婚姻中に夫婦の協力によって取得・維持されたものであれば、財産分与の対象となる場合があります。専業主婦の家事や育児も、夫婦の財産形成や維持に対する協力として考慮されることがあります。

もっとも、対象となる財産や分け方は、物件の取得時期、住宅ローンの返済状況、購入時の頭金、相続や贈与の有無などによって異なります。財産分与の割合については、2026年4月1日に施行された改正民法で、婚姻中の財産の取得・維持に対する夫婦の寄与の程度が明らかに異なる場合を除き、原則として2分の1ずつとする考え方が明確にされています。

財産分与について夫婦の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停や審判を申し立てて、分与を求めることができます。改正前は、離婚後2年を経過すると、原則として家庭裁判所に申し立てることができませんでした。

2026年4月1日に施行された改正民法により、財産分与の申立期間は、離婚した日の翌日から起算して5年に延長されました。ただし、2026年3月31日以前に離婚した場合は、原則として従来どおり2年です。離婚日によって扱いが異なるため、注意が必要です。

なぜ、申立期間が延長されたのでしょうか。

離婚直後は、新しい住居の確保、引っ越し、役所での手続き、仕事や生活環境の変更など、さまざまな対応が重なります。子どもがいる場合には、学校や保育園、日常生活に関する準備も必要です。

そのため、離婚直後に住宅ローンが残る家や共有名義の不動産について、十分な資料を集めて話し合うことが難しい場合があります。

今回の5年への延長によって、離婚直後の生活を整えながら、不動産の名義、住宅ローンの残高、売却価格などを確認し、財産分与の方法を検討するための時間を確保しやすくなりました。

ただし、5年あるからといって、家の問題を長期間放置してよいわけではありません。住宅ローンの返済、固定資産税、管理費、修繕費、名義変更などの問題は、財産分与の期限とは別に発生します。共有名義やペアローンの住宅は、早めに現在の契約内容と不動産の価値を確認することが大切です。

2. 期限が延びたからといって「不動産を放置」するのが危険な理由

「財産分与の申立期間が5年に延びるなら、家のことはしばらくそのままにしておいても大丈夫」と考える方もいるかもしれません。

しかし、財産分与を家庭裁判所に申し立てられる期間が延長されたことと、共有名義や住宅ローンの問題を放置できることは別の話です。

預貯金のように、保管場所や管理費用の問題が比較的少ない財産であれば、時間をおいてから話し合う方法を検討できる場合もあります。一方、不動産は所有者、住宅ローン、建物の状態、税金や維持管理費など、時間の経過によってさまざまな事情が変わります。

相手と連絡が取れなくなる

離婚後、元夫や元妻が転居したり、再婚したり、仕事や収入の状況が変わったりすることがあります。

共有名義の不動産全体を売却する場合や、持分の移転、住宅ローンの整理を進める場合には、相手の協力や金融機関との手続きが必要になることがあります。そのため、時間が経って相手と連絡が取りにくくなると、話し合いや書類の準備が進まず、手続きが長期化するおそれがあります。

「相手と連絡が取れるうちに、家をどうするのかを話し合っておくこと」は、財産分与の期限とは別に重要な問題です。

建物の劣化や価格変動

空き家になった住宅は、換気不足や雨漏り、給排水設備の不具合などによって、管理状態が悪化することがあります。庭木の繁茂や害虫、不法侵入など、所有者だけでは気づきにくい問題が生じる場合もあります。

また、建物の価格は築年数や管理状態などの影響を受けます。土地の立地や市場環境によっては、売却時期を先送りしたことで、売却価格や住宅ローンの返済計画に影響する可能性があります。

離婚時点では住宅ローンを返済できる見込みがあったとしても、時間の経過によって不動産価格が変わり、売却してもローンを完済できない状態になることもあります。

相手の借金や差押え

元配偶者が借金を重ねたり、税金などを滞納したりすると、その人が所有する不動産の共有持分が差し押さえられる可能性があります。共有持分は、債務者の財産として差押えの対象となり得ます。

ただし、相手が自己破産したからといって、直ちに家全体が競売にかけられるとは限りません。実際にどの範囲が差し押さえられるのか、住宅ローンの抵当権がどう関係するのか、競売や換価手続が進むのかは、債権の種類や登記の内容によって異なります。

それでも、相手の共有持分が第三者に移転すると、これまで関係のなかった人と不動産を共有する状態になる可能性があります。家に住み続けたい場合や売却したい場合には、新たな共有者との調整が必要になることもあります。

3. トラブルの火種になりやすい「共有名義」と「ペアローン」

共働き夫婦が、それぞれの収入を生かしてマイホームを購入するケースがあります。その際、夫婦それぞれが不動産の持分を持つ「共有名義」や、夫婦が別々に住宅ローンを契約する「ペアローン」が利用されることがあります。

また、住宅ローンの契約によっては、どちらか一方がもう一方の「連帯保証人」や「連帯債務者」となる場合もあります。

離婚後の不動産問題では、所有権の名義だけでなく、住宅ローンの契約関係も整理しなければなりません。そのため、共有名義やペアローンの住宅は、単独名義や単独ローンの住宅に比べて、解決までに時間がかかる場合があります。

共有名義のままにしておくリスク

共有名義とは、ひとつの不動産を複数人で所有している状態です。夫婦が負担した頭金や住宅ローンの借入額などに応じて、登記上の持分割合が定められます。

例えば、夫と妻がそれぞれ2分の1の持分を持っている場合、どちらか一方が自分の持分を持っているからといって、単独で家全体を売却できるわけではありません。不動産全体を売却するには、原則として共有者双方の協力が必要です。

建て替えなど、不動産の形状や用途に大きな変更を加える場合にも、共有者全員の同意が必要となることがあります。一方、修繕や管理などは、行為の内容によって必要な同意の範囲が異なります。

さらに注意したいのが、元配偶者の死亡による相続です。

離婚した元配偶者が不動産の持分を残したまま亡くなると、その持分は元配偶者の相続人に引き継がれる可能性があります。元配偶者が再婚していた場合、新しい配偶者や子どもが相続人となり、これまで面識のなかった人と不動産を共有する状態になることもあります。

そのため、離婚後も共有名義を続ける場合は、将来の相続まで含めて、持分をどうするのか検討しておくことが大切です。

ペアローンと連帯保証のリスク

ペアローンとは、ひとつの不動産を購入するために、夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを契約する仕組みです。2人がそれぞれ借入人となるため、契約内容によっては、互いに連帯保証人となる場合があります。金融機関によって契約関係は異なるため、借入時の契約書や金融機関への確認が必要です。

例えば、離婚後に夫が家を出て、妻が住み続けることになったとします。夫婦間で「夫が自分のローンを払い続ける」と取り決めても、その合意だけで金融機関との契約関係が変わるわけではありません。

その後、夫の返済が滞った場合、金融機関から妻に対して、保証契約に基づく返済を求められる可能性があります。返済額や請求の時期、期限の利益を失う条件などは、ローン契約の内容によって異なります。

つまり、離婚後の夫婦間で「誰が返済するか」を決めただけでは、住宅ローンの債務者や保証人から自動的に外れることはありません。妻が住み続ける場合は、借り換え、債務者の変更、持分の移転、売却などを金融機関と相談しながら検討する必要があります。

4. 【具体例】3年で離婚。妻が夫の持分を取得して家に住み続けることは可能か?

ここでは、田布施・柳井周辺でも相談されることがあるケースを例に、離婚後も妻が自宅に住み続ける方法を考えます。

「共働きだったため、夫婦それぞれが資金を出し、土地と建物を2分の1ずつの共有名義にしてペアローンを組みました。しかし、購入から3年で離婚することになりました。小さな子どもがいるため、保育園や友人関係など、現在の生活環境をできるだけ変えたくありません。夫の持分を妻が取得し、住宅ローンも妻が返済しながら、住み続けることはできるのでしょうか。」

妻が家に住み続けられるかどうかは、不動産の名義、住宅ローンの残高、現在の不動産価格、妻の収入、金融機関の承諾などによって決まります。

したがって、結論は次のとおりです。

条件を満たせば、妻が夫の持分を取得し、住み続けられる可能性はあります。ただし、持分の移転と住宅ローンの整理を別々に考えることはできません。

不動産の財産分与では、一方が住宅を取得し、他方に代償金を支払う方法が考えられます。例えば、住宅の実質的な価値や住宅ローンの残高を確認したうえで、夫の持分に相当する金額を妻が支払う形です。裁判所の手続でも、不動産の評価額や住宅ローンの残高などの資料が確認されます。

方法1:妻の単独ローンへ借り換える

現在のペアローンを整理し、妻が単独で新たな住宅ローンを組んで、夫婦それぞれの借入を返済する方法です。

この場合、借り換えと同時に、夫から妻へ不動産の持分を移転することを検討します。実現できれば、不動産の所有名義と住宅ローンを妻側にまとめられる可能性があります。

ただし、妻の年収だけで借り換え後の借入額を返済できるか、金融機関の審査を受ける必要があります。審査では、年収や勤続年数、雇用形態、他の借入、返済期間、物件の担保評価などが確認されます。

パート勤務や時短勤務であっても、必ず利用できないとは限りません。しかし、雇用形態だけで判断できるものではなく、金融機関ごとの基準によって結果は異なります。

方法2:持分取得のための資金を準備する

妻が夫の持分を取得する際、財産分与の内容によっては、夫に代償金を支払う必要があります。

その場合は、次のような資金を組み合わせて支払う方法が考えられます。

ただし、共有持分の取得を目的とした融資が利用できるかどうかは、金融機関や商品によって異なります。「持分買取ローン」という名称の商品が必ず利用できるとは限らないため、事前に金融機関へ確認が必要です。

方法3:夫のローンを妻が引き受ける

金融機関の承諾を得られる場合には、夫の住宅ローンについて、妻が返済義務を引き受ける方法を検討できることがあります。これを「免責的債務引受」といいます。

ただし、夫婦間で「今後は妻が返済する」と合意しただけでは、夫が住宅ローンの債務者から外れるわけではありません。金融機関が承諾し、契約変更の手続きが完了して初めて、金融機関との関係でも整理されます。

5. 名義変更に伴う税金の落とし穴にも注意

妻が夫の持分を取得し、不動産を妻の単独名義に変更する場合は、税金や登記費用についても確認が必要です。

個人から個人へ財産を無償で移転すると、通常は贈与税の対象となります。しかし、離婚に伴う財産分与として不動産や持分を取得した場合、通常は贈与ではなく、婚姻中に形成した財産の清算や離婚後の生活保障として扱われるため、贈与税はかかりません。

ただし、次のような場合には注意が必要です。

・分与された財産の額が、夫婦の協力によって形成した財産やその他の事情を考慮しても過大である場合

・贈与税や相続税を免れる目的で、離婚を利用したと認められる場合

このような場合には、過大な部分、または取得した財産全体が贈与税の対象となる可能性があります。

また、家や土地などの不動産を財産分与した場合、不動産を渡した側に譲渡所得が課税されることがあります。財産分与を行った時点の不動産の時価が譲渡収入として扱われ、取得費や譲渡費用との差額を基に譲渡所得が計算されます。購入時より値上がりしている場合だけでなく、取得費や時価の評価方法によっても税額が変わるため、事前の確認が必要です。

さらに、持分移転登記には登録免許税がかかります。取得する側については、不動産取得税が課税されるかどうかを含め、所在地を管轄する都道府県税事務所などに確認すると安心です。

6. 最初の一歩は「今の家の価値を知ること」

ここまで見てきたように、共有名義の解消や住宅ローンの整理には、借り換え、債務引受、持分の取得、売却など、いくつかの方法があります。

しかし、どの方法を検討する場合でも、最初に確認したいことがあります。

それは、現在の不動産価格の目安と、住宅ローンの残高を把握することです。

不動産会社の査定によって、今の家がどの程度の価格で売却できる可能性があるのかを確認します。ただし、査定額は将来の売却価格を保証するものではありません。複数の査定結果や周辺の成約事例などを確認しながら、現実的な価格を検討することが大切です。

同時に、金融機関から住宅ローンの残高証明書や返済予定表を取り寄せます。裁判所の財産分与手続でも、不動産の評価資料や住宅ローン残高が分かる資料の提出を求められることがあります。

不動産の価格と住宅ローン残高を比較すると、売却や住み続ける方法を検討する際の目安が分かります。

アンダーローンの場合

不動産価格 > 住宅ローン残高

不動産を売却した場合に、売却代金から住宅ローンや仲介手数料、登記費用などの諸費用を差し引いても、残額が見込まれる状態です。

この場合は、売却して住宅ローンを返済し、残った金額を財産分与の対象となる他の財産や債務と合わせて、どのように分けるかを検討します。必ず不動産の残額を夫婦で単純に2分の1ずつ分けるとは限りません。

妻が住み続ける場合には、不動産の評価額と住宅ローン残高をもとに、夫の持分や代償金の有無を検討します。不動産の担保価値が借入額を上回っていることは、借り換えや債務者変更の審査で有利な事情となる可能性がありますが、審査の承認を保証するものではありません。

オーバーローンの場合

不動産価格 < 住宅ローン残高

不動産を売却しても、売却代金だけでは住宅ローンを完済できず、残債が残る状態です。

この場合、売却するには、原則として不足する金額を自己資金などで補う必要があります。また、住宅ローンの返済途中で不動産を譲渡する場合には、金融機関への相談や承諾が必要になることがあります。金融機関の承諾を得て債務を引き継げる場合もありますが、契約内容や審査によって扱いは異なります。

したがって、オーバーローンだからといって、必ず売却できないとは限りません。自己資金による補填、買い替えや借り換え、金融機関との調整などを含めて、具体的な方法を確認する必要があります。

一方で、住宅ローンの残高が不動産価格を上回っている場合、妻が住み続けるために夫の持分を取得する方法も、簡単ではありません。妻が夫のローン分を含めて返済できるか、夫に支払う代償金が必要か、金融機関が借り換えや債務引受を認めるかを確認する必要があります。

査定で確認したい項目

査定を依頼するときは、価格だけでなく、次の点も確認しましょう。

確認項目 確認する内容
査定価格 売却できる可能性のある価格
査定の根拠 周辺の成約事例、築年数、土地・建物の状態
住宅ローン残高 現在の残債、繰上返済額
売却費用 仲介手数料、登記費用、測量費など
担保・権利関係 抵当権、共有持分、土地と建物の名義
売却後の残額 ローンと諸費用を差し引いた後の金額

自分たちの家が現在、アンダーローンなのかオーバーローンなのかを知るには、不動産価格の目安と住宅ローン残高を確認する必要があります。

ただし、査定額は財産分与の金額や借り換えの承認額を自動的に決めるものではありません。不動産の評価、ローン残高、売却費用、他の財産や債務を整理したうえで、住み続けるのか、持分を整理するのか、売却するのかを検討することが大切です。

7. 査定には2種類ある。「机上査定」と「訪問査定」

では、家の価値を調べるにはどうすればよいのでしょうか。

不動産の査定には、大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。目的や検討段階に応じて使い分けることが大切です。

机上査定

机上査定は、簡易査定とも呼ばれます。

住所、築年数、土地の面積、建物の面積などの基本情報と、周辺の取引事例や市場動向をもとに、不動産価格の目安を算出する方法です。担当者が現地を訪問しないため、比較的短時間で概算を確認できます。

まだ離婚や財産分与の話し合いが具体化していない段階で、

という場合に向いています。

ただし、建物内部の状態、日当たり、修繕状況、周辺環境などが十分に反映されないことがあります。机上査定の金額だけで、財産分与の金額や売却価格を決めるのは避けましょう。

訪問査定

訪問査定では、不動産会社の担当者が現地を訪れ、建物や土地の状態を確認します。

建物内部の傷み具合、設備の状態、リフォーム履歴、日当たり、接道状況、周辺環境などを確認し、机上査定よりも個別の事情を反映した価格の目安を算出します。

次のような段階では、訪問査定を検討するとよいでしょう。

ただし、訪問査定を受けたからといって、その金額で売却できるとは限りません。最終的な成約価格は、売り出し時の市場環境、購入希望者の反応、交渉などによって変わります。

また、訪問査定だけで境界の確定や権利関係の詳細な調査まで完了するわけではありません。境界、接道、抵当権、共有持分などに問題がある場合は、司法書士、土地家屋調査士、金融機関などへの確認が必要になることがあります。

田布施・柳井での注意点

田布施・柳井周辺で不動産を売却する場合は、インターネット上の情報だけで価格を判断するのではなく、周辺の成約事例や地域の需要も確認することが大切です。

同じ築年数の住宅でも、駅や学校までの距離、道路への接し方、土地の形状、上下水道の状況、空き家の管理状態などによって、売却価格の目安が変わることがあります。

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」でも、地域ごとの取引価格や成約価格を確認できます。査定を依頼する際は、査定額だけでなく、その金額の根拠や周辺事例についても説明を受けるとよいでしょう。

使い分けの目安
状況 向いている査定
まず相場を知りたい 机上査定
離婚後の選択肢を整理したい 机上査定から訪問査定
財産分与の話し合いを進めたい 訪問査定
売却を具体的に進めたい 訪問査定
建物や土地に個別の問題がある 訪問査定+専門家への確認

机上査定は、短時間で相場の目安を知りたい場合に適しています。一方、訪問査定は、建物や土地の状態を確認したうえで、より個別事情を反映した価格の目安を知りたい場合に向いています。

離婚に伴う財産分与では、まず机上査定で全体像を把握し、売却や住み続ける方法を具体的に検討する段階で訪問査定を依頼するという流れが考えられます。

8. 田布施・柳井の不動産事情とスムーズな売却のために

「田布施や柳井のような地方では、中古住宅を売りに出しても、なかなか買い手が見つからないのではないか」と不安に感じる方もいらっしゃいます。

たしかに、都市部の中心地域と比べると、物件を公開してすぐに多くの見学希望者が集まるとは限りません。物件の立地、価格、築年数、建物の状態、駐車場の広さ、生活利便性などによって、売却までの期間は大きく異なります。

一方で、田布施町では、町内の空き家を移住希望者に紹介する空き家バンク制度が運用されています。柳井市でも、空き家バンクへの登録や物件見学の仕組みが整えられています。こうした制度の利用を含め、地域の購入希望者や移住希望者に物件情報を届ける方法を検討できます。

また、田布施町は柳井市や平生町、光市など周辺地域への通勤圏としての側面もあります。そのため、売却を検討する際は、物件そのものだけでなく、通勤、買い物、通学、医療機関へのアクセスなど、生活全体の利便性を整理して伝えることが大切です。

ただし、地域の中古住宅には、売却まで一定の期間を要する場合があります。売却を急ぐのか、価格を優先するのか、必要な修繕を行ってから売り出すのかによって、販売方法も変わります。

離婚に伴う売却では、次の点もあらかじめ話し合っておく必要があります。

売却まで誰が住むのか
住宅ローンや固定資産税を誰が負担するのか
内覧時の片付けや立ち会いをどうするのか
売却価格をどのように決めるのか
売却後の残債や売却代金をどう分けるのか
住みながら売却する場合は、内覧のたびに室内を整えたり、日程を調整したりする必要があります。元夫婦が同居している場合や、連絡を取り合うこと自体が負担になっている場合は、仲介会社を窓口にして、連絡や内覧対応の方法を整理しておくとよいでしょう。

反対に、空き家にして売却する場合は、換気、庭の管理、郵便物の確認、防犯などの管理方法を決めておく必要があります。管理されない期間が長くなると、建物や敷地の状態に影響する可能性があります。

9. 決まったことは離婚協議書や公正証書に残す

家の売却方針が決まった場合や、妻が住み続ける代わりに夫が住宅ローンを負担することになった場合は、話し合った内容を記録に残しておくことが大切です。

まずは、財産分与、住宅ローン、名義変更、売却時の費用負担などについて合意した内容を「離婚協議書」などの書面にまとめます。そのうえで、養育費や慰謝料、代償金、住宅ローンの負担分など、金銭の支払いを伴う取り決めについては、公証役場で公正証書を作成する方法があります。

口約束や簡単なメモだけでは、後から「そのような約束はしていない」「事情が変わったので支払えない」と主張され、トラブルになるおそれがあります。

離婚協議書や公正証書には、次のような事項をできるだけ具体的に記載します。

強制執行には条件がある

公正証書にしたからといって、すべての約束について、直ちに財産を差し押さえられるわけではありません。

代償金、慰謝料、養育費などの金銭の支払い義務について、支払期限や金額を明確にしたうえで、公正証書に「支払いを怠った場合は直ちに強制執行に服する」という強制執行認諾文言を記載しておく必要があります。

この条件を満たす公正証書があれば、支払いが滞った場合に、裁判で判決を得る手続きを経ず、地方裁判所へ強制執行を申し立てられる場合があります。ただし、実際に差押えを行うには、必要書類をそろえて別途申立てを行う必要があります。

一方、登記名義の変更や住宅ローンの債務者変更は、公正証書を作成しただけで完了するものではありません。不動産の持分移転登記は司法書士、住宅ローンの変更や借り換えは金融機関に、それぞれ確認する必要があります。

まとめ

一人で抱え込まず早めに相談を

2026年4月1日に施行された民法改正により、離婚後に財産分与を家庭裁判所へ申し立てられる期間は、原則として2年から5年に延長されました。ただし、2026年3月31日以前に離婚した場合は、原則として従来どおり2年です。

申立期間が延長されたからといって、不動産や住宅ローンの問題を長期間放置してよいわけではありません。

共有名義やペアローンの住宅では、時間の経過によって次のような問題が生じる可能性があります。

「ペアローンを整理したい」「子どものために今の家に住み続けたい」「家を売却して生活を立て直したい」など、希望する方向はご家庭によって異なります。

いずれの場合も、最初に行いたいのは、現在の不動産価格、住宅ローン残高、登記名義、持分割合、税金や諸費用を確認することです。そのうえで、住み続けるのか、持分を整理するのか、売却するのかを検討します。

離婚に伴う不動産の整理は、通常の売却とは異なり、不動産、住宅ローン、登記、税務、財産分与を同時に確認する必要があります。夫婦間の合意だけで進められない手続きもあるため、必要に応じて不動産会社、金融機関、司法書士、税理士、弁護士などに確認することが大切です。

田布施・柳井周辺で、離婚に伴う共有名義やペアローンの住宅についてお悩みの方は、一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で現在の状況を整理してみてください。

田布施・柳井周辺で、離婚に伴う不動産の売却、共有名義の整理、住宅ローン残高と不動産価格の確認についてご相談をお受けしています。

まずは現在の名義や住宅ローンの状況を確認し、住み続ける場合と売却する場合の選択肢を整理します。

[離婚に伴う不動産のご相談はこちら]

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