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格安物件の落とし穴!市街化調整区域の「分家住宅」に潜む、第三者が住めない・貸せないリスクとは?

不動産を探していると、相場よりも明らかに安い「お値打ち物件」に出会うことがあります。
特に投資を考えている方にとって、価格の安さは大きな魅力です。
しかし、そこには「安いのには理由がある」という厳しい現実が隠れていることが少なくありません。
今回は、知らずに買うと取り返しのつかないことになりかねない「市街化調整区域」の「分家住宅」のリスクについてお話しします。

そもそも「分家住宅」とは?

通常、市街化調整区域は「建物を建ててはいけない地域」とされています。
しかし、例外的にその土地で長く生活してきた本家から独立する親族(子や孫など)が、特別な許可を得て建てる住宅があります。
これが「分家住宅」です この住宅には、以下のような非常に厳しい制約があります。
 ・利用者の限定原則として、許可を受けた本人やその親族しか住むことができません
 ・第三者の使用不可他人に貸したり、親族以外の人が住んだりすることは認められません
 ・再建築の制限建物を壊した後に、誰でも自由に建て替えができるわけではありません
もしこれらに違反して第三者が使用した場合、行政から是正措置(改善命令)を命じられるリスクもあります

実際にあった「貸せない」トラブル

先日、私の元にサラリーマン大家のA氏から相談がありました。
A氏は「とにかく安く手に入れた」と、調整区域内にある戸建て2軒の賃貸募集を依頼されました。
「格安だったから普通に貸せると思っていた」と意気揚々とお話しされていましたが、調査した結果、
2軒とも第三者が入居できない制限付きの物件でした。
法律上、第三者に貸すことができない物件である以上、募集をお断りせざるを得ませんでした。
どんなに家賃を安く設定しても、法律の壁は超えられません。せっかく投資として購入しても、「貸せない家」は収益を生まない負債になってしまいます。

裁判所も「知らなかった」を認めない

不動産のルールを知らなかったことで起きた、深刻なトラブル事例をご紹介します。
あるご両親が分家住宅を購入しましたが、その死後に物件を相続した娘さんが売却を検討した際、
初めて「利用制限」があることを知りました
娘さんは「法律上住めないことを告げなかったのは説明不足だ」として、仲介会社などに約3,000万円の損害賠償を求めて訴訟を起こしました
しかし、結果は棄却(訴えが退けられること)でした
理由は、売買契約の際の「重要事項説明書」に、以下の内容が明記され、読み上げられていたからです 。   
 ・市街化調整区域内にあり、原則として建築できないこと
 ・現在ある建物は増改築や再建築ができないこと
 ・許可を受けた申請者以外の第三者は使用できないこと
裁判所は、書面で正しく説明されている以上、仲介会社に落ち度はないと判断しました
つまり、「重要事項説明書に書いてあることを読み上げられていれば、理解していなかったとしても買った側の自己責任」とされるのが不動産取引の現実なのです。

失敗しないための教訓

「格安」という言葉に惑わされないためには、契約前に必ず以下の点を確認してください。
1.「市街化調整区域」ではないか?
2.「分家住宅」としての許可物件ではないか?
3.第三者の使用」や「再建築」に制限はないか?
「利回りが高いから」「とにかく安いから」という勢いだけで購入するのは非常に危険です。
特に調整区域の物件を検討する際は、書面に書かれた制限事項を一つひとつ理解するまで確認するようにしましょう。
せっかくの資産形成が、知識不足で台無しにならないよう、慎重な判断を心がけてください。

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