不動産屋と事故物件とおばけ
~「知っておくと損しない」本当にあった話と法律のこと~
こんにちは。不動産の仕事をしていると、時に「見えないもの」とも向き合う瞬間があります。
今日はちょっと不思議で、でもちゃんと“現実”の話——「事故物件」と「おばけ」、そして不動産屋の立場について、お話しします。
今日はちょっと不思議で、でもちゃんと“現実”の話——「事故物件」と「おばけ」、そして不動産屋の立場について、お話しします。
■ 事故物件とは?——“あったこと”をどう扱うか
まずは基本から。
「事故物件」とは、法的な定義は明確にされていないものの、一般的には以下のようなケースを指します。
「事故物件」とは、法的な定義は明確にされていないものの、一般的には以下のようなケースを指します。
室内での自殺や他殺があった物件
孤独死で長期間発見されなかった物件
火災やガス事故で人が亡くなった物件
これらの出来事が「心理的瑕疵(かし)」にあたるとされ、借り手や買い手に説明する必要があります。
■ 説明義務ってどこまで? 〜 2021年、国交省のガイドラインで明確に!
2021年、国土交通省がガイドラインを発表し、事故物件に関する「告知義務」の目安が示されました。
❏ 原則説明が必要なケース:
自殺・他殺・火災による死亡事故が起こった部屋
→ 発生から概ね3年以内であれば、賃貸・売買ともに説明が必要。
→ 発生から概ね3年以内であれば、賃貸・売買ともに説明が必要。
❏ 説明が不要とされるケース:
自然死(病死・老衰)
近隣住民が亡くなったケース
明らかに物件に影響を与えない出来事
つまり、事故の内容や経過年数によって説明義務の有無が変わるんです。
不動産業者としては「買主・借主が通常知りたいと思うこと」を誠実に説明する義務があります。
不動産業者としては「買主・借主が通常知りたいと思うこと」を誠実に説明する義務があります。
■ それでも「おばけ、出るんですか?」
法律と現実は別の問題です。
実際、説明義務の話をしていても、こう聞かれることが少なくありません。
実際、説明義務の話をしていても、こう聞かれることが少なくありません。
「この物件、幽霊出るんですか?」
……正直、出るか出ないかは誰にも証明できません。
不動産業者は心霊現象について法的な回答はできませんが、お客様の不安には寄り添う必要があります。
不動産業者は心霊現象について法的な回答はできませんが、お客様の不安には寄り添う必要があります。
現場であった話:
ある事故物件に内見に来た若いカップル。「霊感ある友達」が来た瞬間に泣き出し、契約中止に。
孤独死があった物件に、塩を持参して「清めの儀式」をした入居者。問題なく暮らしています。
■ 実は「事故物件専門」で人気の投資家もいる
意外かもしれませんが、事故物件は安く買えることから、不動産投資の世界では一定の人気があります。
リフォームして「お洒落物件」に変身させる
説明義務の期限(3年)を過ぎた後、通常物件として再販する
もちろん倫理観と説明責任が問われますが、適正な情報開示をすれば、活用する道もあるのです。
■ 最後に:おばけより怖いのは「隠すこと」
不動産屋として一番大切なのは、「何が起きたかを、正直に伝えること」。
たとえ“おばけ”が見えなくても、事実を隠すことは、法的リスクや信頼失墜につながります。
たとえ“おばけ”が見えなくても、事実を隠すことは、法的リスクや信頼失墜につながります。
事故物件に興味がある方も、不安な方も、「事実を知る」ことが安心への第一歩です。
「おばけが出るから安い」よりも、「なぜ安いのかを説明してくれる不動産屋かどうか」
——そんな視点で、物件選びをしてみてください。
——そんな視点で、物件選びをしてみてください。
次回は「孤独死があった家に住むと運が悪くなる?迷信と現実」について書いてみようと思います。