意外と知らない『公拡法』の話
こんにちは。不動産の裏も表も語るブログへようこそ。
今回のテーマは、あまり知られていないけれど、土地の売却を考えている人にとっては「知ってて本当に良かった」と思える話――それが公拡法(こうかくほう)』です。
「公拡法」って何?カンタンに言うと…
正式名称は「公有地の拡大の推進に関する法律」。
この法律、昭和47年にできたものですが、目的はとてもシンプル。
この法律、昭和47年にできたものですが、目的はとてもシンプル。
🌳 公園や学校、道路などの公共施設のために、行政がスムーズに土地を取得できるようにすること。
つまり、「まちづくりの土台になる土地」を、必要なときに行政が買いやすくする仕組みなんです。
誰に関係あるの?
「そんなの大規模開発の話でしょ?」と思う方も多いかもしれません。
ところが、実はこんな人たちに関係があります👇
ところが、実はこんな人たちに関係があります👇
✅ 空き地や山林を相続した人
✅ 都市部でまとまった土地を売ろうとしている人
✅ 不動産業者に相談しようと考えている人
✅ 都市部でまとまった土地を売ろうとしている人
✅ 不動産業者に相談しようと考えている人
そして何より…
✅ 「売る前に行政への届出が必要」なケースがある!
ここが重要なんです。
どんなときに届出が必要なの?
以下の3つの条件をすべて満たすと、売却前に「行政に買う意思はないか?」を確認するための届出が義務になります。
条件 | 内容 |
---|---|
1 | 都市計画区域内(街なかやその周辺) |
2 | 土地の面積が一定以上(下表参照) |
3 | 売買や交換などで土地の所有権を移すとき |
面積の基準はこちら:
区域 | 届出が必要な面積 |
---|---|
市街化区域 | 2,000㎡以上 |
その他の都市計画区域 | 5,000㎡以上 |
どうして届出が必要なの?
行政側にとっては「まちづくりのために土地がほしい」と思っていても、バラバラに民間に売られてしまったら困るわけです。
なので…
「売る前に、私たち(行政)に買うチャンスをちょうだい!」
という制度が設けられている。それが「公拡法の届出制度」です。
届出を出したら、どうなるの?
届出を出すと、21日以内に市や県などの行政から
「買いたい」「買わない」の意思表示が届きます。
「買いたい」「買わない」の意思表示が届きます。
「買わない」なら通常の売却へGO!
「買いたい」なら、価格などの協議が始まります
ちなみに、行政の申し出は強制ではないので、売主が断ることもできます。
届出しなかったらどうなるの?
⚠️ 最大で「50万円以下の過料」の対象に。
届出義務を知らずに契約を進めてしまうと、
「せっかく買主が見つかったのに契約がストップ!」なんてトラブルになる可能性も。
「せっかく買主が見つかったのに契約がストップ!」なんてトラブルになる可能性も。
実際にあった話:行政が「買います」と言ってきた!
ある地方都市で、2,500㎡の空き地を売却しようとした高齢の地主さん。
不動産会社のアドバイスで届出を提出したところ…
不動産会社のアドバイスで届出を提出したところ…
「ちょうどその場所に、地域防災倉庫を建てる計画がありました」
→ 結果、行政が適正価格で買い取り。買主探しの手間なし!
→ 結果、行政が適正価格で買い取り。買主探しの手間なし!
自分には関係ないと思ったあなたへ
確かに、ほとんどの一般家庭の土地売買では届出の対象にはなりません。
でも、こんなケースではどうでしょう?
でも、こんなケースではどうでしょう?
市街地にある駐車場をまとめて売る
親から大きな土地を相続して売却検討中
古い工場跡地や倉庫を売却予定
➡️ そのとき、公拡法の知識があるかないかで大きな差が出ます。
まとめ:知っておいて損はない「まちづくりの視点」
📌 公拡法は「まちを守る」ための法律
📌 売却前に「行政に買いたいか聞く」制度
📌 届出は義務。知らずに進めると罰則もあり
📌 売却のチャンスが広がることもある!
📌 売却前に「行政に買いたいか聞く」制度
📌 届出は義務。知らずに進めると罰則もあり
📌 売却のチャンスが広がることもある!
最後にひとこと
不動産を持つ人にとって、“土地をどう売るか”は一大事。
でもその土地が、誰かの暮らしやまちづくりにつながる可能性がある――
そう思えば、「公拡法」も少し身近に感じませんか?
でもその土地が、誰かの暮らしやまちづくりにつながる可能性がある――
そう思えば、「公拡法」も少し身近に感じませんか?