都市部から地方へ、自分らしい暮らしのペースや理想の住環境を求めてお引っ越し(移住・UJIターン)を考える方が増えています。自然が豊かな場所でのんびりと暮らしたい、でも日々の買い物や病院通いなどの便利さも手放したくない。そんな願いをバランスよく叶えてくれる街として、今回は山口県の東の玄関口「岩国市(いわくにし)」をご紹介します。
この記事では、岩国市ならではの美しい風景や活気ある文化といった街の魅力から、実際に住む上で欠かせない「空き家探し」のコツ、そして家計にとても優しい「子育てのサポート」まで、日々の生活に直結するお話をじっくりとお伝えしていきます。
1. 岩国市ってどんな街?錦帯橋と錦川が織りなす美しい日常
岩国市は山口県のいちばん東側にあり、広島県や島根県とお隣同士の街です。2026年4月1日現在の人口は118,235人となっています。全国の多くの地方都市と同じように、少しずつ人口の減少は進んでいますが、その分、人と人とのつながりや自然の豊かさを身近に感じられる環境があります。
この街に住むことの大きな魅力は、なんといっても「錦帯橋」と「錦川」という素晴らしい風景が、日常の生活圏内にあることです。
五連の木のアーチが美しい錦帯橋は、遠くから観光客が訪れる名所ですが、地元の人にとっては日常の散歩道でもあります。春には橋の周辺に桜が咲き誇り、夏は伝統的な鵜飼(うかい)の風景や花火大会、秋は色鮮やかな紅葉、冬は雪化粧と、季節が移り変わる様子を肌で感じることができます。「週末にちょっとお弁当を持って錦帯橋の河川敷へ行く」という過ごし方ができるのは、岩国市に住む人だけの特権です。
2. 日常にスパイスを!活気あふれる「岩国基地祭り」
岩国市を語る上で欠かせないもう一つの顔が、「米海兵隊岩国航空基地」の存在です。基地があることで、岩国市の市街地には英語の看板が並ぶお店や、アメリカンサイズのピザやハンバーガーを楽しめる飲食店が多くあり、日常的に外国の方とすれ違う国際色豊かな雰囲気が漂っています。
中でも、1年で最も街が熱気に包まれるのが、毎年春に開催される「日米親善デー(岩国基地祭り・フレンドシップデー)」です。この日は普段は入れない基地の一部が一般に開放され、全国からたくさんの人が訪れます。
目の前で繰り広げられる大迫力の航空ショー、軍用機の地上展示、そしてステーキやホットドッグが焼かれる美味しそうな匂い。フェンスを越えてアメリカの陽気なお祭りの空気を味わえるこのイベントは、子どもから大人まで一日中楽しめる特別な体験です。こうした異文化に自然と触れ合える環境は、「子どもに広い世界を感じてほしい」と考えるご家族にとって、とても前向きな魅力になっています。
3. 自分の理想に合わせて選べる、エリア別の住環境
岩国市はとても広いので、どんな暮らしをしたいかによって住む場所を自由に選ぶことができます。
スーパーや病院、市役所などが集まっていて、車に乗る機会が少ない方でも生活しやすいエリアです。おしゃれなカフェや飲食店も多く、街の便利さを重視する方に向いています。
道がきれいに整備された、静かな住宅街です。公園も多く、落ち着いた環境で子育てをしたいご家族からとても人気があります。
山や海の自然が近く、のんびりとした空気が流れています。街中よりも少し土地が広めの物件を見つけやすく、「瀬戸内のハワイ」と呼ばれるお隣の周防大島へも車で遊びに行きやすい場所です。
錦川の上流にあたる、昔ながらの里山の風景が残るエリアです。畑で野菜を育てたり、本格的な古民家暮らしを楽しんだりしたい方にぴったりです。
4. 移住の大きな壁「空き家探し」と市のサポート制度
地方での暮らしを考えるとき、「手頃な古い家を買って、自分好みにリフォームして住みたい」と希望される方はとても多いです。しかし、実際に家を探し始めると、一つの壁にぶつかります。
実家を受け継いだものの、自分は遠くに住んでいるため手入れができず、空き家になってしまう家が全国で増えています。ですが、一般的な不動産情報では、すぐに住めるような新しい家や、街中の便利な家が中心になります。山あいにあったり、少し手直しが必要だったりする古い家は、「直すためのお金がかかりすぎる」といった理由で、なかなか情報として表に出てきません。
5. リフォーム代もサポート!手厚い助成金で私らしい家づくり
空き家バンクで見つけたお家を、実際に自分たちが心地よく住める状態にするには、どうしてもお金がかかります。特にお風呂やトイレ、キッチンといった水回りのやり替えや、屋根の傷みの修理は大きな負担になります。岩国市では、ここを直接助けてくれる素晴らしい助成金制度が用意されています。
空き家情報登録制度によって登録された空き家に定住される方を対象に、物件の修繕費用を助成してくれます。費用の半分(離島の場合は3分の2)まで出してくれて、家を買う場合は最大100万円、借りる場合は最大50万円まで補助されます。「和式のトイレをきれいな洋式に変える」「古くなったキッチンを新しくする」といった、暮らしの快適さに直結する工事がうんと楽になります。
空き家に残っている使わない家具の処分や、お掃除にかかる費用の半分(最大20万円まで)を補助してくれます。前の住人の方の荷物が多くても、この制度があれば安心です。
6. 家計が本当に助かる!子育てと教育への手厚いサポート
お子様と一緒に移住するご家族にとって、毎月の生活費や教育費はとても気になるところです。岩国市は、家計の負担をぐっと軽くしてくれる制度がそろっています。
まず、乳幼児から中学卒業までの保険適用分医療費がすべて無料です。子どもはちょっとしたことで熱を出したり、ケガをしたりして、病院にお世話になることが多いものです。そのたびにかかる窓口での支払いがないというのは、お財布にも心にも、ものすごく大きな安心感を与えてくれます。
さらに、すべての市立小・中学校で給食費の無償化を実施しています。小学校と中学校の9年間、毎日おいしい給食が無料で食べられるのです。食材の値段が上がっている今の時代、毎月の給食費が浮くのは、家計にとって実質的に数十万円単位の節約になります。浮いたお金で、休日に家族でお出かけをしたり、子どもの習い事を増やしたりと、暮らしの質を高めることができます。
7. 仕事と引っ越し費用の不安をなくす支援金制度
移住の決断を最後までためらわせるのが、「引っ越しのお金」と「向こうでの仕事」です。岩国市は、この不安を取り除くための思い切ったサポートを用意しています。
条件に合う方には「移住支援金」という大きなサポートがあります。たとえば、東京23区にお住まいか通勤していたご家族が岩国市に移住し、対象となるお仕事に就いた場合、基本の支給額100万円に加えて、18歳未満のお子様1人につき100万円が上乗せされます。もしお子様が2人いる4人家族なら、最大で300万円が支給される計算です。これだけまとまったお金があれば、遠方からの引っ越し代や、新しい生活を整えるための心配はほとんどなくなります。
また、今の会社を辞めずにテレワークで働き続けながら移住する方への補助金もあります。
現地で新しい仕事を始めたい方には、「Class Biz.(岩国しごと交流・創業スペース)」という施設があります。ここにはシェアオフィスやコワーキングスペースがあり、創業支援アドバイザーに事業の相談をしたり、専門家を紹介してもらえたりと、チャレンジする人をしっかり支えてくれる環境が整っています。
8. 移住の失敗を防ぐ「お試し住宅」と相談窓口
インターネットで写真を見ただけで移住を決めてしまうと、「思っていたよりスーパーが遠かった」「夜が想像以上に暗かった」といった、理想と現実のギャップに悩むことがあります。
そうした失敗を防ぐため、岩国市には生活に必要な家具や家電がすべて揃った「お試し住宅」が用意されています。自然がきれいな北河内や錦といった場所にあり、最初の7日間は7,000円、それ以降は1日1,000円という利用しやすい料金で滞在できます。ホテル代を気にせず、地元のスーパーの品揃えを見たり、朝の通勤ラッシュの様子を確かめたりと、本当の生活のシミュレーションができます。
また、何度か足を運んでじっくり考えたい方のために、「いわくに暮らし希望者交通費補助金」という制度もあります。移住の相談などでこの補助制度を一度利用した方が、同じ年度内にもう一度岩国市を訪れる場合、往復の交通費の一部を補助してくれるというものです。
まとめ:岩国市での新しい暮らしに向けて
美しい錦帯橋の四季、子どもたちが水しぶきを上げる錦川、そして年に一度のワクワクする基地祭り。岩国市には、日々の暮らしを色鮮やかにしてくれるたくさんの見どころがあります。
それに加えて、空き家のリフォーム代の補助、子どもの医療費や給食費の無料化、そして引っ越しを支える移住支援金など、新しくこの街の仲間になる方を応援する仕組みがしっかりと整っています。
移住は、人生の大きな決断です。急いで決める必要はありません。お試し住宅を利用して街の空気をのんびり味わったり、サポートセンターの相談員さんにお話をたくさん聞いたりしながら、ご自身のペースで理想の暮らしを見つけてみてください。
