みなさん、こんにちは。住まいのコンシェルジュです。
このブログは、山口県の移住支援の取り組みの一環としてお届けしています。私は、全日本不動産協会山口県本部から依頼を受けた住まいのコンシェルジュとして、移住を検討されている方や、移住後の住まいに不安を感じている方のご相談に対応しています。
私の役割は、住まい選びで迷いやすいポイントを整理し、地域の事情や住まい探しの進め方について、経験をもとにアドバイスすることです。気候風土に合った家の選び方や、地域ならではのルール、支援制度の活用方法などをお伝えしながら、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
近年は、自然に囲まれた暮らしや子育て環境の見直し、働き方の変化をきっかけに、地方移住への関心が高まっています。その一方で、移住先を検討し始めると、仕事や買い物、地域との関わり方など、暮らしの現実が気になってくる方も多いのではないでしょうか。
この連載では、住まいのコンシェルジュの視点から、山口県内の市や町の移住の取り組みと、実際の暮らしの魅力をお伝えしています。
第15回目の今回は、山口県北西部に位置する長門市です。
長門市は、日本海に面した美しい景観や歴史ある温泉地で知られる一方で、仕事や日々の暮らしとの両立を考えやすいまちでもあります。観光の印象だけでは見えにくい、暮らしやすさや注意しておきたい点も含めて、住まいの視点から率直にご紹介していきます。
1. 海と山がすぐそばにある暮らし
長門市の魅力は、海と山の豊かな自然が、特別な場所ではなく毎日の暮らしのすぐそばにあることです。
景色を眺めるだけではなく、散歩をしたり、海辺でのんびりしたり、休日に少し足をのばして遊んだりと、自然を身近に感じながら過ごせます。
海にもいろいろな表情があります。
日本海のダイナミックな景色を楽しめる場所もあれば、油谷湾のように波が穏やかで、ゆったりした時間が流れる場所もあります。
その日の気分に合わせて過ごし方を選べるのも、長門市らしい魅力です。
絶景が身近になる東後畑棚田
向津具半島(むかつくはんとう)の油谷(ゆや)エリアにある東後畑棚田は、日本の棚田百選にも選ばれている美しい景観です。
日本海を望む棚田に水が張られる季節には、夕日や漁り火が水面に映り込み、思わず立ち止まりたくなるような風景が広がります。 東後畑棚田
都会では、季節の移ろいを予定表や街の装いで感じることが多いかもしれません。
でも長門市では、空の色や海の表情、田んぼの風景を通して、季節の変化をもっと近くに感じられます。
仕事帰りにふと景色を眺める時間も、休日の朝の散歩も、暮らしを少し豊かにしてくれます。
⛺ 気分で選べる海の楽しみ方
しっかり体を動かしたい日には、青海島で海のアクティビティやキャンプを楽しめます。
一方で、静かな時間を過ごしたい日には、油谷湾に面した伊上海浜公園オートキャンプ場で、穏やかな海を眺めながらゆっくり過ごすのもおすすめです。青海島キャンプ村や伊上海浜公園オートキャンプ場は、長門市のアウトドア拠点として公式資料でも紹介されています。 長門市アウトドアツーリズム
アクティブに過ごしたい日も、のんびりしたい日も、無理なく自然の中で過ごせること。
そんな暮らしやすさが、長門市での移住生活の心地よさにつながっています。
2. 温泉が暮らしの身近にあるまち
長門市の暮らしを語るうえで、温泉は欠かせない魅力のひとつです。
市内には、それぞれ異なる雰囲気をもつ5つの温泉地があり、「長門五名湯」として親しまれています。長門湯本温泉、俵山温泉、油谷湾温泉、湯免温泉、黄波戸温泉と、気分や好みに合わせて楽しめるのも長門市らしさです。長門市内の温泉特集
たとえば、長門湯本温泉は山口県でもっとも古い約600年の歴史をもつ温泉地です。俵山温泉には昔ながらの湯治場の面影が残り、油谷湾温泉では海を望む開放的な景色が楽しめます。温泉は観光だけのものではなく、地域の暮らしのすぐそばにある身近な存在です。
🌙 長門湯本の魅力
なかでも、移住を考える方に知っていただきたいのが長門湯本温泉です。
長門湯本温泉では、長門市や地域の関係者によるまちづくりの取り組みが進められ、音信川(おとずれがわ)沿いの風景がより心地よく楽しめる空間へと整えられてきました。川のそばでひと休みできる川テラスや、そぞろ歩きが楽しい散策空間、夜の雰囲気を彩るライトアップなどがあり、温泉街全体でゆったりとした時間を過ごせます。長門湯本温泉
この温泉街で掲げられているのが「オソト天国」という考え方です。
外の空間も心地よく楽しめる場所にしていこうという発想のもと、川辺で過ごす時間や、まちを歩く時間そのものが、長門湯本ならではの魅力になっています。オソト天国
きれいに整えられた川辺でひと息ついたり、散歩の途中に景色を楽しんだり。
そんな穏やかな時間が日常の中にあることは、長門市で暮らす大きな魅力のひとつです。まちが少しずつ手をかけながら魅力を育てていることも、これからの暮らしを考えるうえで安心感につながります。
3.食と文化
センザキッチンと仙崎の魅力
毎日の食事は、暮らしの心地よさにつながる大切な要素です。
長門市は海と山に恵まれ、新鮮な魚介や野菜、地域ならではの特産品にふれられるのが魅力です。
その身近な拠点のひとつが、仙崎地区にある道の駅センザキッチンです。
センザキッチンは、観光で訪れた方はもちろん、日々の買い物にも立ち寄りやすい施設です。館内には地元の食材や加工品が並び、長門市の食の豊かさを感じられます。営業時間は9時から18時までです。
施設内では、買い物だけでなく、食を楽しむ時間も過ごせます。
地元の食材にふれながら、海辺のまちらしい雰囲気を身近に感じられるのも魅力です。
長門市には、地域ならではのおいしいものもそろっています。
長門ゆずきちは山口県オリジナルの香酸柑橘で、長門市は県内最大の産地です。さわやかな香りが特長で、食卓に季節の彩りを添えてくれます。 長門ゆずきち
文化が息づく
仙崎のまち歩き
センザキッチンから足をのばすと、金子みすゞゆかりの仙崎のまちなみが広がります。
仙崎は、童謡詩人金子みすゞが生まれ育ったまちです。金子みすゞ記念館では、作品や生涯にふれることができ、仙崎の文化的な魅力を感じられます。長門市公式では、記念館で512編の全作品が紹介されていると案内されています。 金子みすゞ記念館
みすゞ通り周辺を歩くと、どこか懐かしく、穏やかな空気に包まれます。
食の楽しみと文化の薫りが身近にあることも、長門市で暮らす魅力のひとつです。
4.🚗 生活基盤
暮らしの安心を支える環境
長門市では、こうした生活の基盤に関わる環境づくりにも力が入れられています。高校3年生までの医療費助成や、3歳未満児の保育料完全無償化など、子育て世帯を支える制度も用意されています。
医療面では、地域の中核病院に加え、長門市応急診療所や山口県小児救急医療電話相談など、急な体調不良に備えた体制があります。
夜間に子どもの体調が気になったときに相談先があることは、子育て世帯にとって心強いポイントです。病児・病後児保育の制度もあり、仕事と子育ての両立を支える仕組みも整えられています。
日常の買い物については、長門市駅周辺を中心に商業施設があり、普段の生活に必要なものをそろえやすい環境です。
一方で、移動は車が中心になるため、暮らし方を考えるうえでは交通手段を含めた住まい選びが大切になります。
公共交通を利用する場合は、最新の運行情報を確認しながら、生活圏をイメージしておくと安心です。
5.住まいと仕事
移住を支える制度
移住を考えるとき、住まいや仕事に関する不安はとても大きなものです。
長門市では、実際の暮らしを試せる制度や、住まいに関する補助、働き方を支える拠点づくりなどが進められています。
長門市では、移住を検討している方向けに、市内での滞在を通して暮らしを体感できる取り組みを行っています。対象者や利用条件はありますが、宿泊費の補助が用意されており、現地での生活を具体的にイメージするきっかけになります。補助額は1人あたり上限8,000円です。
長門市では、合併処理浄化槽の設置に対する補助があり、5人槽では44万2,000円が案内されています。維持管理や機器交換に対する支援もあり、見えにくい費用への備えにつながります。
コワーキングスペースやシェアオフィス、相談機能などがあり、テレワークや創業を考える方にも活用しやすい環境です。コワーキングスペースの一般利用料は1時間300円です。
対象となる地域や働き方などに条件がありますが、大都市圏からの移住を支える制度として活用できます。18歳未満の世帯員がいる場合は、加算制度も案内されています。詳しい条件は最新の公式情報を確認するのが安心です。
6.地域のつながり
相談しやすい環境
制度や住まいの支援に加えて、移住先で気になるのが地域との関わりです。
長門市では、定住支援員や移住コーディネーターが配置されており、相談の段階から移住後の暮らしをイメージするところまで、継続してサポートを受けられる体制があります。
長門市の魅力のひとつは、地域との距離の近さです。
日々の暮らしの中で人とのつながりを感じやすく、移住者同士や地域の方と交流できる機会も設けられています。市の計画でも、地域住民と移住者の交流機会づくりが進められています。
暮らしを知る
体験と交流の機会
先輩移住就農者と話せる機会もあり、仕事や暮らしの実際を具体的に知るきっかけになります。移住コーディネーターが同行する案内もあります。
また、お試し暮らしの仕組みの中でも、地域の人との交流や先輩移住者との対話を体験内容に含めることができます。
移住前に人との距離感や地域の雰囲気を知っておけることは、安心して一歩を踏み出すうえで大きな支えになります。
7. まとめ
長門市で見つける新しい暮らし
ここまで、長門市の自然、温泉、食、生活環境、住まい、仕事、地域とのつながりについてご紹介してきました。
長門市には、海や山に囲まれた豊かな環境があるだけでなく、子育てや住まい、働き方を支える仕組みも整えられています。
長門市での移住は、便利さを手放すことだけを意味するものではありません。
自然の近くで過ごす時間や、地域とのつながり、働き方や住まい方の見直しを通して、自分たちらしい暮らしを考えるきっかけにもなります。
お試し暮らしコーディネート事業を活用すれば、現地の空気や生活の流れを体感しながら、移住後の暮らしをより具体的にイメージできます。
住まいや暮らしに関する不安や疑問がある場合は、長門市の移住相談窓口に相談できます。
移住を考え始めた段階でも相談しやすい体制があることは、最初の一歩を後押ししてくれる安心材料のひとつです。
移住に関する住まいのご相談は、 弊社のお問い合わせページ よりお気軽にご連絡ください。
