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真夏の空き家管理で失敗しない7つの注意事項|嫌な臭い・カビ・害虫対策と安全な作業手順まで解説

実家や所有している家が空き家になっているとき、一番気をつけなければいけない季節が「夏」です。

普段だれも住んでいない家は、窓が閉め切られたままになり、部屋の中に熱気と湿気がぐんぐん溜まっていきます。真夏の室内は、外の気温よりもはるかに高くなり、時には50度近くまで上がってしまうことも珍しくありません。

「少しの間放置しておくだけだから大丈夫だろう」と思っていると、たった一夏で部屋じゅうがカビだらけになったり、耐えがたい臭いが発生したり、近所の方に迷惑をかけてしまうトラブルに発展することがあります。

今回は、真夏の空き家で具体的に何が起きるのか、それを防ぐために何ができるのかを、身近な言葉でひとつずつ分かりやすくお伝えしていきます。

1. 夏の空き家で真っ先に起きる「嫌な臭い」と「虫」の正体

久々に空き家の玄関を開けた瞬間、「うっ」と息を呑むような下水のような臭いや、カビ臭さを感じたことはありませんか。

実は、誰も住んでいない家で夏場に最もよくあるトラブルが、この「下水からの臭いと害虫の侵入」です。

なぜ誰もいないのに下水の臭いがするのか?

家の中にある洗面台、キッチン、お風呂場、トイレには、必ず排水口があります。普段生活しているときは、水を使うたびに排水管の途中に水が溜まる仕組みになっています。この溜まった水のことを「封水(ふうすい)」や「水のふた」と呼びます。

この「水のふた」があるおかげで、下水管からの嫌な臭いや、下水管の中にいるゴキブリやコバエなどの虫が家の中に入ってこられないようになっています。

しかし、真夏になると話が変わります。

誰も水を使わない状態が続き、さらに室内の気温が上がると、この「水のふた」がどんどん蒸発して干からびてしまうのです。水がなくなると、下水管と部屋の中がそのまま一直線につながってしまいます。

その結果、下水の激しい臭いが部屋じゅうに充満し、臭いに引き寄せられた虫や、下水管を登ってきたゴキブリやムカデが家の中に侵入してしまいます。

簡単・確実な「水のふた」蒸発対策

この問題を防ぐ方法は、とてもシンプルです。空き家に行ったら、まず次のことを試してみてください。

●すべての排水口に水を流す

洗面台、台所、お風呂場、トイレに、コップ数杯分(トイレはバケツ一杯分ほど)の水を流して、溜め直します。

●ラップやフタで目張りをする

水を溜めたあと、洗面台や台所の排水口の上にラップフィルムをかぶせ、輪ゴムやテープで隙間を塞いでおきます。こうするだけで、水が蒸発するスピードを大幅に遅らせることができます。

●トイレの便器にもラップを貼る

トイレの便器に溜まっている水も夏場はすぐに蒸発します。水を流したあとに便座を上げ、便器の開口部全体にラップをピッチリ貼っておくと蒸発を防げます。

ちょっとした工夫ですが、これだけで次に来たときの下水臭や虫の発生を劇的に減らすことができます。

2. むっとする湿気と「カビ」から家を守る風の通し方

真夏の閉め切った部屋は、湿度と温度が極端に高くなります。カビにとって「高い温度」と「高い湿度」は大好物の環境です。

部屋の換気を怠っていると、畳の裏や押し入れの中、壁紙の裏側、革製品や服に一気にカビが広がってしまいます。一度大量に生えてしまったカビを綺麗にするのは、大変な手間と費用がかかります。

効果的な部屋の空気の入れ替え方

空き家に着いたら、まずは部屋の空気を入れ替えましょう。ただし、ただ窓を開ければいいというわけではありません。

●風の「入口」と「出口」を2箇所以上作る

窓を1箇所だけ開けても、空気はうまく動きません。家の対角線上にある窓を最低2箇所開けることで、風が家の中を走り抜けるようになります。

●押し入れやクローゼット、靴箱の扉を全部開ける

部屋の窓を開けるのと同時に、押し入れ、クローゼット、靴箱、キッチン下の収納扉など、扉という扉をすべて全開にしてください。湿気は家具の奥や暗い場所に溜まりやすいので、そこに風を当てることが重要です。

●雨の日は窓を開けない

「久しぶりに来たから」と、雨が降っている日や湿度が極端に高い日に窓を開けてしまうと、かえって外の湿気を部屋の中に引き込んでしまいます。換気は、良く晴れた乾燥している日を選んで行いましょう。

身近な道具でできる湿気対策

頻繁に家を訪れることができない場合は、押し入れや押入れの底に「すのこ」を敷いて隙間を作ったり、畳の上に新聞紙を敷いておくだけでも、湿気対策になります。置くだけタイプの除湿剤(水が溜まるタイプ)を使うのも手ですが、夏場はすぐに水がいっぱいになって溢れるリスクもあるため、置く場所にはプラスチックのトレーを敷いておくなどの工夫が必要です。

3. 庭の草むらと害虫、近隣トラブルを防ぐ

夏の空き家管理で、室内と同じくらい、あるいはそれ以上に大変なのが「お庭の草木」です。

夏の雑草の伸びるスピードは非常に早く、ほんの2〜3週間見に行かないだけで、大人の膝や腰の高さまで草がボウボウに生えてしまうことがあります。

雑草を放置することで起きる危険

庭の草を放っておくと、見た目が悪くなるだけではなく、以下のような切実な問題が発生します。

●ハチや害獣の巣になる

背の高い草むらは、アシナガバチやスズメバチが巣を作る格好の場所になります。また、野良猫やハクビシン、ネズミなどが住み着いてしまう原因にもなります。

●ごみの不法投棄や不審者の侵入を招く

「この家は誰も管理していない」ということが外から一目で分かってしまうと、タバコのポイ捨てやゴミの不法投棄をされやすくなります。さらに、草木が目隠しになってしまい、泥棒や不審者が侵入しやすい環境を作ってしまいます。

●近所の方とのトラブル

隣の家にまで雑草や木の枝が伸びてしまったり、蚊や害虫が大量発生して近隣住民の方に刺されやすくなったりすると、大きなトラブルに発展します。

夏の庭の手入れのコツ

真夏の草刈りは非常に厳しい作業になります。

少しでも負担を減らすためには、草が小さいうちに細かく刈り取っておくことや、雑草を抜いたあとに「防草シート」を敷いて光を遮断しておくことが有効です。

また、近所の方と顔を合わせたときは「いつもご迷惑をおかけしていませんか?」と一声かけておくだけで、印象が大きく変わり、万が一のときに連絡をもらえる関係性を作ることもできます。

4. 台風やゲリラ豪雨が来る前に確かめたい場所

夏から秋にかけては、突然のゲリラ豪雨や大型の台風がやってくる季節です。

誰もいない空き家で雨漏りが起きると、誰も気づかないまま数週間・数ヶ月が過ぎてしまい、天井が落ちたり床が腐って抜け落ちたりする大きな被害につながります。

外まわりでチェックしておくべきポイント

台風や大雨が来る前に、以下の場所を目視で確認しておきましょう。

●雨樋(あまどい)の詰まり

屋根から流れてくる水を受ける「雨樋」に、落ち葉や泥、鳥の巣などが詰まっていないでしょうか。雨樋が詰まっていると、強い雨が降ったときに水が溢れ出し、外壁をつたって室内に水が侵入する原因になります。

●屋根の瓦や外壁のひび割れ

地面から屋根を見上げて、瓦がズレていたり浮いていたりしないか確認します。外壁に大きなひび割れがないかも見ておきましょう。

●飛んでいきそうなものの片付け

庭やベランダに置きっぱなしになっている植木鉢、物干し竿、古いゴミ箱などは、台風の強風で飛んでいき、隣の家の車や窓ガラスを割ってしまう危険があります。使わないものは室内に入れておきましょう。

5. 自分自身の命を守るための「夏の作業ルール」

空き家の管理作業で、絶対に忘れてはならないのが「作業をする自分自身の安全と健康」です。

真夏の空き家での作業は、想像以上に過酷です。エアコンが稼働しない真夏の家の中は、まるで温室やサウナの中にいるような状態になります。

毎年、空き家の掃除や草刈りをしている最中に熱中症になり、倒れてしまう事故が起きています。周囲に誰もいないため、倒れても気づかれず、発見が遅れて命に関わるケースもあるのです。

安全に作業するための基本ルール

●絶対に一人だけで作業をしない

できれば家族や知人と一緒に2人以上で行くようにしてください。どうしても一人で行く場合は、家族や知人に「今から〇時まで空き家の作業をしてくる」と連絡を入れておき、終わったら必ず無事を報告する習慣をつけましょう。

●作業時間は「朝の涼しい時間帯」に限定する

日中の最も暑い時間帯(11時〜15時頃)の作業は避けてください。早朝の比較的涼しい時間帯に訪問し、長くても1〜2時間程度で切り上げるのが安全です。

●持ち物をしっかり準備する

 ・飲料水・スポーツドリンク(喉が渇く前に飲む)

 ・塩分補給用のタブレットや塩飴

 ・タオルと着替え

 ・長袖・長ズボン・帽子(害虫防止と日焼け防止のため、暑くても長袖・長ズボンが基本です)

 ・携帯扇風機や冷却シート

 ・こまめに休憩を取る

「キリが良いところまで終わらせよう」と無理をするのが一番危険です。タイマーをセットして、20分〜30分に一度は必ず日陰や風通しの良い場所で水分を取り、身体を休めてください。少しでも頭痛やめまい、吐き気を感じたら、すぐに作業を中断して涼しい車内などに移動してください。

6. 防犯と放火を防ぐためのちょっとした工夫

だれも住んでいない家は、泥棒や不審者、あるいは放火などの犯罪に狙われやすくなります。特に夏場は草が伸びて見通しが悪くなるため、より一層の注意が必要です。

犯罪者は「この家には誰も来ていないな」というサインを常に見探しています。

「留守」を感じさせないためのポイント

チェック項目 対策内容
ポストのチラシ ポストにチラシや郵便物が溜まっていると、一目で留守だと分かります。郵便局へ「転送届」を出すか、一時的に配送を止める手続きをしておきましょう。
カーテンの状態 ずっとカーテンが閉め切られたままだと不自然です。ただし、中が丸見えになるのも危険なので、レースのカーテンなどを使って外からの視線を遮りつつ、光が入るように工夫します。
防犯グッズの導入 人の動きに反応してライトがつく「ソーラー式のセンサーライト」や、庭に敷くと足音が響く「防犯用の砂利」を置くだけでも、大きな防犯効果があります。
戸締まりの再確認 帰る前には、すべての窓のクレセント錠(鍵)がかかっているか確認してください。2階の小さな窓やトイレの小窓も忘れずに閉めましょう。

7. 放置したままにするとどうなる?(税金や法律の話)

「今は忙しいから、秋になって涼しくなるまで放っておこう」と思ってしまう気持ちもよく分かります。ですが、管理を全くせずに放置し続けることには、大きなリスクが伴います。

近年、国や自治体では、管理が行き届いていない空き家に対するルールを強めています。

「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると?

手入れをせず、倒壊の危険があったり、衛生上著しく有害であったり、近隣に大きな迷惑をかけている空き家は、自治体から「特定空家」や「管理不全空家」として指定されることがあります。

指定を受けたあと、自治体からの指導や勧告に従わないでいると、今まで受けられていた土地の税金(固定資産税)の優遇措置が受けられなくなってしまいます。

通常、家が建っている土地は固定資産税が最大で6分の1に軽減されていますが、この指定を受けて改善しないと、税金が実質的に何倍にも跳ね上がってしまうことがあるのです。

さらに、万が一台風などで家の瓦や外壁が崩れ、通りがかりの人や車に被害を与えてしまった場合、所有者である個人が損害賠償責任を負うことになります。

こうしたリスクを避けるためにも、できる範囲で定期的な点検やお手入れを続けていくことがとても大切です。

空き家の定期的な点検方法や維持について気になる方は、こちらも参考にしてみてください。

外部参考: 国土交通省

8. 夏の空き家訪問で使える「かんたんチェックリスト」

空き家に着いたとき、何から手を付ければいいか迷わないよう、作業の流れをまとめたチェックリストを用意しました。訪問の際にぜひ活用してみてください。

【到着したらまずやること】

・車を安全な場所に止め、近隣の邪魔になっていないか確認する

・ 外観(屋根、外壁、ガラス、庭)に大きな破損や異常がないかぐるりと見る

・ 玄関を開け、一呼吸置いたら窓を2箇所以上開けて風を通す

【室内でやること】

・ 押し入れ、クローゼット、靴箱の扉をすべて開ける

・ すべての排水口(台所、洗面、風呂、トイレ)に水を流す

・ 排水口にラップなどで目張りをする

・ 壁や天井、押入れの中にカビや雨漏りの跡がないか確かめる

・ 畳や床がフカフカ浮いていないか、傷んでいないか踏んで確かめる

【庭・外まわりでやること】

・ ポストの中身をすべて取り出し、空にする

・ 伸びすぎた雑草や、敷地からはみ出している木の枝を刈る

・ アシナガバチやスズメバチの巣ができていないか確かめる

・ 風で飛んでいきそうな物が落ちていないか片付ける

【帰る前にやること】

・ すべての窓や勝手口、玄関の鍵を閉めたか再確認する

・ ブレーカーを落とし、水道の元栓を閉める(通水作業時以外)

・ 持ち込んだゴミや、草刈りで出たゴミを車に積み込む

まとめ:無理のないペースで大切な家を守りましょう

真夏の空き家管理は、暑さとの戦いでもあり、体力的にとても大変な作業です。

「全部完璧にやらなきゃいけない」と思い詰めると、空き家に行くこと自体が気が重くなってしまいます。まずは「風を通す」「排水口に水を流す」「ポストを空にする」といった、できることから少しずつ進めていきましょう。

遠方に住んでいて頻繁に通うのが難しい場合や、体調や高齢のために真夏の作業が辛いと感じるときは、無理をせず、周囲の親族に相談したり、定期的に見回りをしてくれるサービスや専門の手助けを頼るのも賢い選択です。

大切な思い出が詰まった家を傷ませないために、そして近隣の方々と気持ちよく付き合っていくために、この夏はぜひ安全第一で空き家のチェックを行ってみてください。

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