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【土地探しの落とし穴】「眺望が良い=リスク」かも?家が建てられなくなる「がけ条例」と「擁壁」の真実

土地探しをしていると、少し高台にあって見晴らしが良かったり、相場より驚くほど安く出ている土地に出会うことがあります。 「ここなら予算内で広い家が建てられる!」と心が躍りますよね。
ですが、私たちプロは、その土地の「景色」を見る前に、必ず「高低差(段差)」を確認します。
なぜなら、そこには「がけ条例(崖条例)」という、建築を厳しく制限するルールが潜んでいる可能性があるからです。 これを見落とすと、「買ったのに家が建てられない」あるいは「安全対策に1,000万円かかった」という、笑えない事態になりかねません。
今日は、不動産初心者の方が最も見落としやすい「がけ条例」と「擁壁(ようへき)」について、知らないと数百万円損するかもしれない「がけ条例(崖条例)」の話を、ここ山口県のルールに基づいてお話しします。

そもそも「がけ条例」とは?

要は「崖崩れから家族を守るためのルール」です。
山口県建築基準条例では、「高さが2メートルを超える崖(30度以上の傾斜)」がある土地に家を建てる場合、厳しい制限を設けています。 ※高さ3mを超える場合は、さらに別の法律(宅地造成等規制法など)が関わることもあります。
山口県は「1.5倍」ルール
もし、あなたが気に入った土地のすぐ隣に「高さ3メートルの崖」があったとします。 山口県の条例(第5条)では、原則として以下のルールが適用されます。
「崖の上端(または下端)から、崖の高さの1.5倍の水平距離を離して家を建てなければならない」
(※地盤が強固な岩盤である場合など、例外もあります)
つまり、高さ3メートルの崖なら、「崖から4.5メートル離れた場所」でないと家を建ててはいけないのです。 (※他県では「2倍」とする地域も多いですが、山口県は基本的に1.5倍という基準を用いています)
「たかが4.5メートル?」と思うかもしれません。 しかし、一般的な住宅地で4.5メートルも建物が建てられないスペース(デッドスペース)ができると、希望通りの間取りが入らないケースが多発します。

「擁壁(ようへき)」があれば大丈夫?

「でも、ちゃんとコンクリートの壁(擁壁)で固めてあるから大丈夫でしょ?」 そう思われる方が多いのですが、ここが最大の落とし穴です。
「見た目が擁壁」であることと、「法的に安全な擁壁」であることは全く別物です。
1. 検査済証(けんさずみしょう)のない擁壁は「崖」と同じ
行政の許可を得て、適切な設計・工事が行われ、最後に「検査済証」が発行されている擁壁であれば、
がけ条例の制限を受けずに家を建てられます。
しかし、古い住宅地にある擁壁の多くは、
 ・不適格擁壁:昔の基準で作られており、現在の耐震基準を満たしていない。
 ・二段擁壁: 古い擁壁の上に、ブロックなどを勝手に積み増している(非常に危険)。
 ・無許可擁壁: DIYや、確認申請を出さずに作られたもの。
これらは法的には「安全な壁」とは認められず、「ただの崖」として扱われます。
つまり、作り直しや建物のセットバック(後退)が必要になるのです。
2. 作り直す費用は誰が払う?
もし、購入後に擁壁が危険だとわかった場合、作り直す費用は当然「所有者(あなた)」の負担です。
擁壁のやり替え工事は非常に高額で、規模によっては数百万円~一千万円以上かかることも珍しくありません。 「土地は500万円で安かったけど、擁壁工事に800万円かかった」では、本末転倒ですよね。

失敗しないためのチェックポイント

後悔しないために、高低差のある土地を検討する際は、必ず不動産会社に以下の質問をしてください。
 1.「この土地は、がけ条例にかかりますか?」
 2.「この擁壁の『検査済証』はありますか?」
もし「検査済証がない」と言われた場合、絶対にその場では契約せず、以下の対策を検討する必要があります。
対策例
 ・建物を鉄筋コンクリート造にする: 建物自体を頑丈にして、万が一崖が崩れても耐えられる構造にする
  (建築コストは上がります)。
 ・安息角(あんそくかく)を計算に入れる: 崖の影響を受けない範囲のみで設計プランが入るか
  確認する。
 ・購入を見送る: リスクとコストが見合わない場合は、勇気ある撤退も重要な決断です。

関連リンク・参考情報

ご自身の検討エリアの条例がどうなっているか、一度確認してみることをお勧めします。 (※専門的な内容になるため、解釈に迷ったら私たちにご相談ください)

[参考] 山口県建築基準条例の解説((PDF等のダウンロードページ)
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/134/24199.html
※上記ページの「山口県建築基準条例及び建築基準法施行細則の解説」をご参照ください。

まとめ:正しい知識で、後悔しない土地選びを

「がけ条例」や「擁壁」は怖いものではありません。
怖いのは、「知らずに買うこと」です。
しっかりとした調査を行い、リスク(費用)を把握した上で購入するなら、高台の土地は眺望も良く、
プライバシーも保てる素晴らしい資産になります。
弊社では、物件をご紹介する際、目に見える建物だけでなく、「擁壁の安全性」や「法的制限」まで徹底的に調査します。
「この石積み、大丈夫かな?」 「実家の土地を売りたいけど、擁壁が古くて心配」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。 お客様の大切な資産を守るため、プロの視点でアドバイスさせていただきます。
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