◆ 負動産とは?改めておさらい
「負動産(ふどうさん)」とは、「持っているだけで負担になる不動産」のこと。
代表例は:
空き家(老朽化していて使い道がない)
売却できない土地(山林・農地・不便な場所など)
維持費や税金ばかりかかる物件(固定資産税、管理費など)
◆ なぜ負動産が相続紛争の火種になるのか?
【1】誰も欲しがらない
不動産は“価値のある資産”と見られがちですが、負動産となると一転。
「売れない」「使えない」「税金ばかりかかる」…と、相続人全員が引き取りたがらないケースが多発します。
「売れない」「使えない」「税金ばかりかかる」…と、相続人全員が引き取りたがらないケースが多発します。
結果:
💥「じゃああんたがもらえば?」
💥「いや、そっちで処分してよ」
➡️ 「押しつけ合い」になり、話が進まない
💥「いや、そっちで処分してよ」
➡️ 「押しつけ合い」になり、話が進まない
【2】名義だけが放置されて将来さらに複雑化
相続登記をせずに名義が「祖父」「曽祖父」のまま放置されている物件も多数。
こうした物件は、相続人が数十人に及ぶこともあります。
こうした物件は、相続人が数十人に及ぶこともあります。
たった1筆の土地の処分を巡って、
遠方に住む相続人に連絡がつかない
意見が割れて売却できない
誰が管理・税金を払うのかで対立
→最悪、家庭裁判所での調停や遺産分割審判に発展することも。
【3】「不公平感」がトラブルに拍車をかける
不動産の相続では「評価額」だけでなく、「実際の使いやすさ」「売却のしやすさ」「管理の負担」など**“見えない価値”**も重要。
たとえば…
長男が便利な家を相続、次男は山奥の負動産
固定資産税の支払いを誰も引き受けたがらない
共有名義にしたら後々トラブル続出
➡️「損した/得した」という感情が生まれやすく、親族間の信頼にヒビが入るケースも。
◆ 負動産が原因で起きた実例(全国で実際にある話)
相続登記を放置していた結果、相続人が50人を超え話し合いが不可能に
売れない山林を巡って兄弟間で責任の押し付け合い → 絶縁状態に
使い道のない空き家を「長男が相続すべきだ」と親族会議が紛糾
いずれも「資産」ではなく、「処分の手間とコストがかかる厄介者=負動産」だったことが共通点です。
◆ トラブルを防ぐためにできること
✅ 生前に「どうするか」を話し合っておく
親世代が元気なうちに「この土地どうする?」とオープンに話すことが大切
相続人間で方針を揃えておくだけで、トラブルの大半は防げます
✅ 遺言書の活用
特に「負動産」がある家庭では、遺言で誰に相続させるか明確にしておくことが有効
曖昧な遺産分割協議は揉め事の温床です
✅ 早めの相続登記で名義を整理
「まだ祖父の名義」「登記してない」が一番危険
法改正により、2024年4月から相続登記は義務化(3年以内)
✅ 手放す・寄付・処分を検討する
自治体によっては解体補助金や空き家バンク制度あり
「国庫帰属制度(※要件あり)」など新制度も登場
◆ まとめ:「価値のない不動産こそ、争いを生む時代」
かつては「土地を持っていれば安心」と言われた時代もありました。
でも今は違います。
でも今は違います。
使わない、売れない、持ってるだけで負担──それが“負動産”。
そんな不動産が、家族や兄弟姉妹を争わせる火種になることもあるのです。
そんな不動産が、家族や兄弟姉妹を争わせる火種になることもあるのです。
だからこそ、相続の前に「見ないふり」をせず、しっかり向き合うこと。
それが、家族の未来を守る一歩になるのです。
それが、家族の未来を守る一歩になるのです。